2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

2008/11/28 金曜日

落ち着かない・・・

今日はちょっと休もうと思って、久しぶりに一日中家に居た。ぼうっと本でも読もうかな、と思っていたのだが、どうも気分が落ち着かない。いよいよ明日からドキュメンタリー祭が始まるせいだ。今更じたばたしても始まらないが、何かしてても、つい、頭の中をよぎってしまう。いざ始まると1週間なんてあっという間だと思うけど。

明日はとりあえず1プログラムだけなので、上映自体は短いが、とにかく上映会場には行っています。

未分類 — text by 本田孝義 @ 21:54:53

『小梅姐さん』

今日は、一息ついたので休もうか、と思っていたのだが、いくつか片付けなければいけないこともあり、結局、事務所に行く。

所用を済ませてから、『小梅姐さん』という、タイトルだけ聞いても艶っぽいドキュメンタリー映画を見に行く。今、東京ではたくさんのドキュメンタリー映画が公開されていて、ここのところ忙しかったせいもあって、ほとんど見れていない。ああ、見てない作品が多いなあ、と思っていた。まずは日本のドキュメンタリーを、ということで、今日、やっと見ることが出来た。

映画は簡単に言うと、九州で芸者になった小梅さんが偉大な民謡歌手になっていく足跡を描く、伝記映画。はじめ、いかにも「映画」という画面作りに鼻白んで、ちょっと入り込めなかったのだけど、途中からそんなことも気にならなくなり、気が付くとすっかり小梅姐さんの歌声に聞きほれていた。録音状態のせいもあるだろうけど、若い頃の歌声よりは、少し年を重ねてからの声のほうが艶があってよかった、と思った。驚くべきは、最晩年の歌声も聞けるのだけど、これが凛とした響きを持っていて驚く。映画としてはオーソドックスであるのだけど、僕はこういう作りの映画も好きだ。変に作り手が大きな顔をしている作品は、時としてうっとうしいこともあるから。

映画を見ながらふと思っていたのは、最近、やたらと「日本の伝統・文化」なんて大上段に振りかざす人が増えたけど、そういう人に限って、「本当にこの人分かってんだろうか」と思うことがある。そういう人こそこの映画を見るべきだと思うのだけど。(そういう人こそ見ていないような気がする・・・。)

未分類 — text by 本田孝義 @ 0:48:59