2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

2011/7/31 日曜日

『大鹿村騒動記』

正直に書くと、僕は『大鹿村騒動記』の予告編を見た時に、あまり興味が持てなかった。まず、タイトルにピンとこなくて、田舎歌舞伎が題材と知って、なんだか今の映画のように感じなかったからだ。もうひとつ正直に書くならば、先日亡くなった原田芳雄さんの熱心なファン、でもない。だけれども、うかつなことに遺作となった『大鹿村騒動記』が久しぶりの主演作だったことに気付いた。だから見なければ、と思っていた。この映画を見て、久しぶりにいい気持ちで映画館を出ることが出来た。こんな気持ちになったのは、本当に久しぶりだと思う。話のあらすじは省きますが、とにかく主演の原田芳雄を筆頭に、出演者の方々のアンサンブルが気持ちいい。そのせいだと思うのですが、多くのショットは役者の絡みになっていて、驚くほどアップが少ない。おおざっぱに言えば(数えていたわけではないので、全く正確ではない)原田芳雄のアップですら3カットほどだ。だが、ラストカットのアップも含めて、その3カットの顔がもう、本当にいい。これも僕の勝手な想像なのだが、監督の阪本順治は役者の演技を少し抑制的に演出したのではないか、と思っている。なぜかと言うと、本作のような題材では、一歩間違うと役者が暴走して時として内輪受け的な笑いになってしまいかねないこともあるから。その点、本作での笑いは嫌みなく気持ちよく笑える。そういう映画も久しぶりだった。

未分類 — text by 本田孝義 @ 22:39:11

2011/7/30 土曜日

猫の手術

少し前から、我が家の猫・チャコちゃんの後ろ足付近に腫れものが出来ていた。一度はしぼんだのだけど、また出来てしまった。2週間ほど前に動物病院で見てもらった時には悪性のものではない、という診断だったのでほっとしたのだけど、やっぱり気になるので手術してとってもらうことにした。昼ごろ動物病院に連れて行った。夕方、手術を終えたチャコちゃんを受け取って家に帰ってきた。来週末抜糸。切った個所をなめないようにエリザベスカラーを着けた姿が可哀そうでもあり、可愛いくもあり・・・。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:04:17

2011/7/29 金曜日

『ピュ~ぴる』/『遥かなるふるさと 旅順・大連』

昨日、『ピュ~ぴる』(松永大司監督)というドキュメンタリー映画を見た。ピュ~ぴる、というのはアーティストの名前。僕はこの映画を見ることをちょっと敬遠していた。なぜかと言うと、僕はピュ~ぴるの表現がちょっと苦手だったから。じゃあ、なぜ苦手だったかと言うと、これはなかなか説明が難しいのだが、一番分かりやすく言うと、生理的な部分で苦手であり、その生理的な部分は、多分、ピュ~ぴるの表現にある、肉体性を感じる部分かもしれない。でも、映画は見なければという気持ちがありつつ、終映2日前にやっと見たのだった。結論から言えば、見てよかった、と思う。つい、分かりやすいので「性同一性障害」と言ってしまうのだけど、僕はこの映画を見て、「障害」じゃないなぁ、と思った。このドキュメンタリー映画は約8年間撮っているのだけど、2001年頃のピュ~ぴるは、女の子っぽいけどまだまだ「男」という雰囲気があるのだけど、時間が経つ中でどんどん女性らしくなっていく。同時に表現も研ぎ澄まされていく。そして、本作のクライマックスになっているのが、2005年の横浜トリエンナーレでのパフォーマンスだ。僕はそのパフォーマンスを生で見ていた一人だ。ピュ~ぴるのパフォーマンスがあるから見に行ったわけではなく、たまたま見に行った日にパフォーマンスがあったのだった。正直に書けば、僕はそのパフォーマンスがよく分からなかった。少し高い所でやっていたので、ちょっと見づらかったせいもあったかもしれない。が、「愛の生まれ変わり」というこのパフォーマンスを本作でもう一度見て、全く違う感動を覚えた。特に、去勢手術、失恋後に行われたことを知ったことが大きかった。ただ、少し残念だったのは、そのあとに続く両親のインタビューは不要だと思った。(もう少し言えば、バックステージもいらかなかったかもしれない。)パフォーマンスの余韻をもう少し感じていたかった。多分、僕はこれからもピュ~ぴるの表現が苦手かもしれない。でも、もっと素直に向き合えるような気もしている。

今日は、『遥かなるふるさと 旅順・大連』(監督:羽田澄子)を見た。最終日。あまり年齢のことを言っても意味はないけれど、それでもやはり85歳でバリバリの現役監督というのは素晴らしいと思う。今日は最終日ということで、羽田さんも会場に来られていた。実は本作もちょっと敬遠していて見るのが最終日になってしまった。映画は一言で言うと、羽田さんが若き日を過ごした旅順・大連を再訪する旅映画。(大部分は旅順の話。)旅順の複雑な歴史が語られつつ、落ち着いた丁寧な語り口でありつつ、どこか軽身を感じさせる。僕が本作を見ながら興味津津だったのは、20世紀初頭に建てられたと思しきロシア建築の数々。映画の中で語られるように、旅順の20世紀は複雑。中国の地でありながら、ロシアの租借地となり、その後日露戦争の勝利により、日本が占領する。(第二次世界大戦末まで。その後、再びソ連、中国領になる。)だから、羽田さんもこの地で過ごすことが出来たわけだ。こうした複雑な歴史がある中で、ロシア式建築の数々が残っていることが、映画を見ながら時空間が歪んでくるような不思議な感覚を覚えた。(この感覚は『インセプション』なんて目じゃありません。)同時に、中国が現在急発展していることもあり、新しい現代建築が続々建っており、1世紀の間の建築の変遷を一つの光景の中に見ることが出来るのは興味深い。また、この発展具合を見ていると、こうしたロシア式建築が壊されるのも時間の問題のような気もする。(現在の日本がそうであるように。はからずも、近年まで中国が発達しなかったからこそ、残った建築という皮肉もある。)いずれにせよ、僕は門外漢だけど、植民地建築、建築史に興味がある人にも見てほしいなあ、と思った。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:08:48

2011/7/28 木曜日

第56回ビデオアクト上映会

お知らせです。ぜひ、足をお運びください。

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◆第56回ビデオアクト上映会 お知らせ◆
http://videoact.seesaa.net/

第56回上映会で以下の作品を上映いたします。
皆様お誘い合わせの上、ぜひご来場ください。

上映作品:「幸せな時間」 横山善太監督(2011年/71分)
日時:2011年8月4日(木) 19時開始 (18時30分~開場)
場所:飯田橋駅 ラムラ(駅ビル)10F
東京ボランティアセンター 会議室A/B
料金:500円(介助者は無料)
☆横山監督によるトーク&ディスカッションつき

問合せ:ビデオアクト上映プロジェクト (jyouei@videoact.jp

<作品について>
「幸せな時間」 横山善太監督(2011年/71分)

50年間連れ添った老夫婦。
ふたりには静かな毎日がありました。
そんな日々も少しずつ変化してゆきます。
記録する孫、介護する母、年老いた祖母・・・
3世代の視点が交差するなか、
老いるということ、幸せって、そして人生とは何か。
ゆっくりみつめてください。

一人の女性が捉えた家族の映像を、
劇映画の監督が紡いだ、物語のようなドキュメンタリー。

「第2回 座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル」で
観客賞を受賞した話題作です。

*   *   *   *   *   *   *   *   *   *

(内容)
仲のよい二人を記録しようと、「私」はカメラを向けた。
ある日、認知症だといわれたおばあちゃんと
癌が見つかったおじいちゃん。

二人の介護に奔走するお母さんは、いつもより少し厳しい。

そして、私を思い出せないおばあちゃんは、
おじいちゃんのことだけは心配している・・・

*   *   *   *   *   *   *   *   *   *

3世代の在り方は、ひとつの人生をも感じさせます。
老いる・看取る・見守る、それぞれの視点から見えるものとは。
また、人はどれだけ愛するひとをみつめることができるのか。

ドキュメンタリー映画 「幸せな時間」、どうぞご期待ください。

未分類 — text by 本田孝義 @ 22:50:16

2011/7/27 水曜日

『テザ 慟哭の大地』

ほんの少しだけ宣伝のお手伝いをした(具体的にはデザイナーの方の指示に従って、チラシ用のカットの抜き出しをやっただけですが)『テザ 慟哭の大地』をやっと見た。作業をした時は超早送りで見ていたので、さっぱり内容は分からず、でも、構成・内容ともに複雑そうな映画だな、と思っていた。先月から公開されて、見なければと思いつつ、ここのところどうも重い映画を見る気分になれず敬遠していたのだが、今週末で終了とあっては見なければなるまい。で、やっと今日ゆっくりと見ることが出来た。映画の内容は、一言で言えば、主人公の目を通して見たエチオピアの現代史・叙事詩といったところか。と書いてはみたものの、その描き方を一言で表すのは難しい、という不思議な映画だ。映画は冒頭から主人公が子供時代の自らの幻影を見るところから始まり、中盤からはフラッシュバックを頻繁に多用し、自らの過去が語られる。と同時に、一種魔術的なエチオピアの風景が相まって、独特の印象を残す。内容だけを見るととてもヘビーなものだ。主人公は意志を目指してドイツに留学している時に、祖国エチオピアで政変が起き、皇帝が追放される。新しい政権は共産主義を標榜する軍事政権。しばらくして主人公は祖国に帰国するが、「革命」という名の粛正が吹き荒れている。僕はこうした粛正のうっ屈したシーンを見ながら、最近、とある会議でなぜ、共産主義政権は異論を許さず、純粋性を追求するのか、と質問したばかりだった。僕はマルクス主義もきちんと勉強したことはないのだけど、純粋性を追求する理由が大本の思想にあるのか、権力を維持するために出てくるものなのかよく分からない。いずれにせよ、こういうシーンを見るのはしんどい。その後、主人公は再び東ドイツに戻るのだが、今度は人種差別に起因する悲劇に見舞われる。だが、映画の最後ではエチオピアの新生を信じる神秘的なシーンで閉じられる。この映画の不思議な魅力は、ぶっきらぼうと言うか、荒削りというか決して洗練されていないところだ。ただ、僕はインテリの蹉跌という面も強く感じてしまってのめりこめない部分があったことも確か。なお、監督のハイレ・ゲリマは先ごろ発表された、今年の山形国際ドキュメンタリー映画祭の審査員に決まったようだ。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:04:56

2011/7/26 火曜日

しばし落ち着かず・・・/会議

新作に関してなかなかに難しい問題が発生し、どういう結論になるにせよ、解決にはしばし時間がかかりそう。それまでは落ち着かない。自分がもう少し丁寧に進めていたら、という反省はある。

夕方から某映画の製作委員会。完成試写に向けて、徐々に話が具体化。

未分類 — text by 本田孝義 @ 21:15:16

2011/7/25 月曜日

一難去ってまた一難

諸般の事情で詳しくは書けないのですが、現在製作中の映画に関して、一難去ってまた一難、という状況になりました。もっとも、僕は完成後に問題になるよりは、完成前に問題点が明らかになった方がいいと思っていましたので、その点ではよかったのかもしれません。(何のことか分からず、ごめんなさい。)

未分類 — text by 本田孝義 @ 21:48:37

2011/7/24 日曜日

地上デジタル放送

今日の午後12時からアナログ放送が停波して、デジタル放送が始まった。僕が知っている中でも、これを機にもうテレビを見なくなる、という人を何人か知っている。一方で、とりあえずチューナーを入れた人も何人も知っている。実際、どのくらいの人がテレビを見たいのに見れない状態なのか詳しくは分からないけど(夕方のニュースでは問合せ・抗議が7万5千件と言っていたが)、今回のような一斉停波、というやり方はよくなかった、と思っている。

未分類 — text by 本田孝義 @ 22:24:58

2011/7/23 土曜日

会議

今日は午後からバイオハザード予防市民センターの幹事会。あれこれ、様々なことについて議論。緑風出版の高須次郎さんも参加。緑風出版はいい本をいっぱい出している。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:05:25

2011/7/22 金曜日

見てもらう

今日は午後から都内某所にて、現在製作中の新作(現時点のもの)をある方に見てもらった。ある方、というのは本作で撮影させてもらった中で中心人物の次に重要な方。もちろん、撮影中は当然許可をもらって撮影しているわけだが、ドキュメンタリーの場合はどういう作品になるのか、本当に出来るのか、などうまく説明できないことが多々あり、これから最後の仕上げに向かう段階で見てもらった方がいい、と思ったのだ。また、他にも少しセンシティブなこともあり、その点もきちんと確認しておきたかったのだ。結論から言えば、とても喜んでもらえた、と思う。ひとまず、ほっとする。完成前に素材や編集途中のものを撮影させてもらった人に見せるべきか、見せないべきか、というのは人によって意見はまちまちだ。これが正しい、というものはないと思う。僕の場合は、今回、いくつか確認しておいた方がいい、と思うことがあるため、見てもらっている。これで少しは自信を持って前に進めると思う。

未分類 — text by 本田孝義 @ 21:52:44

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