2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

2010/4/30 金曜日

『スラヴォイ・ジジェクによる倒錯的映画ガイド』

ラカン派精神分析家であるスラヴォイ・ジジェクが映画について喋りまくる『スラヴォイ・ジジェクによる倒錯的映画ガイド』を見た。まぁ、倒錯的というのは基本的には潜在的性的欲望のことで、40本以上の映画のある場面をジジェクが精神分析する映画。150分、とにかく喋りまくる。特にヒッチコック、リンチは何度も言及される。見ているときは、ふんふんと思ったりしていたのだが、よくよく考えてみれば取り上げられている映画は分かりやすい映画・シーンがほとんどで、それほど深い、とも思えなかったりする。このドキュメンタリーが映画的に少し面白いかな、と思えるのはジジェクが映画が撮影された場所・セットもしくは似た場所で似せた画面の中で語っていることだろうか。僕はある時から精神分析にあまり興味が持てなくなったので、少し冷やかに見てたかもしれない。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:41:40

2010/4/29 木曜日

森村泰昌展/会議

今日は午前中、東京都写真美術館に行って「森村泰昌展・なにものかへのレクイエム」を見た。森村さんの作品は名画に自らがなってしまうシリーズが好きで、折々で結構見てきたと思う。女優に扮するシリーズもいくつか見ていると思うのだが、あまり好きではなかった。その後、今回の展覧会タイトルにもなっている、「なにものかへのレクイエム」シリーズのレーニンとチャップリンの「独裁者」を見たとき、とても感動した。だから「なにものかへのレクイエム」の集大成の今回の展示はとても見たかったのだ。このシリーズの大きな特徴は有名な報道写真に題材をとり、森村さん自身が実在の人物に扮していること。展覧会、どの写真・映像を見ても全て森村さん自身。三島由紀夫から山口二矢からチェ・ゲバラからピカソからガンジー、はては昭和天皇まで著名な人物のものもあれば、ベトナムで射殺される人を撮った有名な写真もある。こうした森村さん扮する写真を見ながら、当然、20世紀の歴史や写真史のことなどに思いをはせたり、ドキュメントとフィクションの関係、あるいはシュミレーショニズムなどなど小難しいことは色々語れると思うのだけど、絵画のシリーズもそうだけど、根底には森村さんのエンターテナーとして、大阪のお笑い芸人にも通ずるような、「ちょっと驚かしたれ」という精神があるんじゃないか、と思った。ただ、ふと思ったのは、元々の写真(あるいは人物)を知らない人にはどういうふうに見えるんだろう、というのは気になった。

午後は、バイオハザード予防市民センターの幹事会。6月に総会があるので、検討事項をいくつか。ある見解の発表をどうするか、など話し合い。

未分類 — text by 本田孝義 @ 22:23:10

2010/4/28 水曜日

パソコンを・・・

ビデオの編集用にパソコンを買い替えようと思っているのだが、なかなか踏ん切りがつかず先延ばしになっている。今日も色々性能など聞きながら、はたしてどこまでのスペックがあればいいのか、また悩んでしまう。もちろん、資金が潤沢にあれば悩まないのだろうけど。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:19:55

2010/4/27 火曜日

上映は続く・・・

まだ正式に決まってはいないのだが、ここのところ上映問い合わせが3つほどあって、今夏、上映が決まるかもしれない。映画が完成してから3年経つが、いまだにこうして上映が続いているのはありがたいことだ。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:16:51

「ダムとわたし」映画祭、3日目

今日は「ダムとわたし」映画祭に行くつもりはなかったのだけど、上映作品よりは上映場所が気になってしまったのだった。今回の映画祭、上映会場がいろんな所で開催されているのも面白いと思う。特に今日、気になったのは上映場所が「ジャズ喫茶 映画館」と書いてある。え、ジャズ喫茶なの?映画館なの?などと思い始めると行ってみたくなった。で、行ってみると看板下には映写機が。中に入ると当然、映写準備は出来ているのだが、いい音でジャズが鳴っている店内には、これまた映写機が、ビュアーが、アリフレックスのカメラはあるし、往年の名画のポスターもあったりして、いい雰囲気。上映前にマスターの吉田さんとお話をすると、やはり吉田さんは(元)映画人でした!こういう所で映画が見れる、というのもこれまた贅沢な時間。今日は2本上映。1本目は「ダムと人びとの生活」。ダムや用水の役割を描いた作品なのだが、舞台は香川県。ある意味、もっとも水不足に悩まされてきた場所だから、水の必要性をこんこんと説明されると、そりゃそうだ、という気になる。僕はあいにく実際はどうなのか、よく分からないのだけど。2本目は「長江悠々」。中国三峡ダムのドキュメンタリー。三峡ダムはとにかくスケールがバカでかいので全く実感が湧かない。何せ、水没者は100万人以上、ダム湖の長さは約600km(東京―名古屋間ぐらい)。三峡ダムの歴史から、1998年現在までの様子を写していた。上映後、しばし皆さんと歓談。

未分類 — text by 本田孝義 @ 0:44:31

2010/4/25 日曜日

「ダムとわたし」映画祭、2日目

今日は「ダムとわたし」映画祭2日目、一観客として見に行った。千駄木にある「記憶の蔵」という、蔵をリノベーションしたスペースでの上映会。今日上映されたのは、主にPR映画と呼ばれる映画を中心にしたラインナップ。「巨大なるダム」は高瀬ダムの基礎工事の記録。「緑のダム」は水源地の森を守る、東京都水道局の活動の紹介。「佐久間ダム建設記録 第2部」は、有名な岩波映画の「佐久間ダム」ではなく、英映画という会社が作った50年以上前の記録映画。建設記録の2本は土木用語がいっぱい出てきて、人間ドラマにもせず、淡々と工事の様子を描いていて、土木マニアの方には興味深いと思う。2回目の上映の最初は、八ツ場ダムの映像。映像を見て、製作者の方とあしたの会の方のお話を聞きながら、複雑に絡み合った問題に悲しくなると同時にある苛立ちを覚えた。「ダム その役割」は利根川水系のダムの必要性を説明したもの。上流にいかに多くのダムがあるかもよくわかる。都市での水需要を説明したモンタージュが変で一人で内心爆笑。最後に見た「ある陳情書から」は15分の短編ながら、下久保ダムの水源地であった鬼石村から東京都に対する告発が強烈なメッセージを持っていて胸を打たれた。今日上映したPR映画は普段、あまり見る機会もなく、貴重な機会だった。いろんな角度からダムについて知る、いい映画祭だとあらためて思った。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:47:32

「ダムとわたし」映画祭、始まる

今日から谷根千で「ダムとわたし」映画祭が始まった。十数本上映作品がある中で、トップバッターが「船、山にのぼる」というのはとても光栄なことです。夕方、そわそわしながら少し早めに会場に行く。ホールに入ってからは、バタバタと上映準備。開場時間になると、主催者でもないのに、やっぱりどれくらい人が見に来てくれるのかは気になるものだ。大きな会場で人が少ないと寂しいから。上映時間になると、多くの方が席に着いていた。もう、何度も上映に立ち会ってきたけれど、見てくれる人は毎回違うわけで、反応はどうだろうか、気になってしまう。逆にい言えば、こうして上映に立ち会えるのは、映画の製作者としてはとても贅沢な時間でもある。今日はとてもいい雰囲気だった、と個人的には思う。上映後、監督トークとしてしゃべらなければいけなかったのだが、上映自体が久しぶりと言うこともあって、つい、あれもしゃべらなかきゃ、これもしゃべらなきゃ、と思っているうちに話があちこちに飛んでしまう。それでも何とかしぇべり終えて、質疑応答。どんな質問・感想が飛び出すか、毎回、ドキドキするが、まあ、なんとか答える。上映後、近くの中華料理屋さんで軽く打ち上げ。いろんな方の力で上映会は出来ている。そういう出会いもまた楽しい。明日は映画祭の一観客として映画を見に行こう。

未分類 — text by 本田孝義 @ 0:32:26

2010/4/23 金曜日

「カシオペアの丘で」

重松清著「カシオペアの丘で」を徹夜で一気読み。やっぱり僕は重松さんの小説は好きだなあ。本作では主人公・シュンが僕とほぼ同年代(設定では一つ違い)でありながら、ガンになるという、なかなかに重い設定。冒頭は4人の幼なじみが小学校4年生、丘の上で星を見上げるところから始まる。(舞台は北海道。)彼らの30年後の話。重松さんの文章は技巧的ではないし、一見単純な話のようでも、言葉の選び方・並べ方・描写などは、よく考えられている。ラスト近く、出来すぎとも言えなくもないが感涙。個人的には主人公・シュンが、ラスト、ニュータウンへ帰るんだ、という表現や、自分が関わった造成中のニュータウンを息子に見せる場面など、さりげなく「ニュータウン」という言葉を入れているところにも重松さんらしさを感じたりする。

未分類 — text by 本田孝義 @ 21:50:40

2010/4/22 木曜日

「アメリカから<自由>が消える」

堤未果著「アメリカから<自由>が消える」を読む。新書なのであっという間に読めた。アメリカが「テロとの戦い」を始めて、愛国者法が出来たりして、自由な言論が奪われていく様子は断片的にいろんなところで読んできたと思うが、こうして様々な事象をまとめられるとうすら寒いものを感じる。おこっていることはまるで全体主義国家のよう。オバマ大統領になってからも変わっていないそうだ。アメリカは自らアメリカらしさを捨てつつあるのだろうか。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:38:36

2010/4/21 水曜日

映写チェック

土曜日に『船、山にのぼる』を上映してもらう、「ダムとわたし」映画祭の上映会場に行って、映写チェックをしてきた。当日に十分な準備時間があればそれほど慌てることもないのだが、当日はあまり準備時間がないと聞いていたので、ビデオプロジェクターやらスピーカーやら諸々のセッティングが少し不安だったので、事前に機材などを確認させてもらったのだ。公共施設の場合、場合によってはコードの引き回しなどが意外とやっかいだったりすることがある。今日、映写チェックをさせてもらったので、当日は多分、大丈夫だと思う。確認しただけでも安心感が違う。帰りに往来堂書店に寄って、現在開催中の「ダムとわたしとダムの本」フェアをのぞく。興味深い本がズラリ。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:29:43

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