2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

2007/12/31 月曜日

1年を振り返って

こういうのは恒例みたいなものだから1年間を簡単に振り返って記しておこうと思う。

1月4日、父が亡くなった。胃がんだった。3週間の入院であっけなく往ってしまった。1月6日、葬儀をすませ、1月8日東京に帰ってきた。『船、山にのぼる』の最後の追い込みにかかる時期だったので、とにかく頭を切り替えるのに苦しんだ。順調にいくかと思えたけど、2月には編集を全面的にやり直すことになり、さすがに焦った。3月3日に岡山で父の49日をした次の日、僕は空撮のためヘリコプターに乗っていた。その後、なんとか録音スタジオに入ることが出来、3月29日、締め切りの1日前に映画は完成した。

春はなんだかんだと諸々の手続きであたふたしていた。ゴールデンウィークには実家にあったものをほとんど処分して、実家は空っぽになった。(まあ、そこからちょっとしたトラブルがあったのですが・・。)

7月、『船、山にのぼる』のユーロスペースでの公開が決まった。第一希望だったので素直に嬉しかった。8月は越後妻有で撮影。9月末にはやっと灰塚現地で『船、山にのぼる』のお披露目、10月には一般にお披露目、となった。幸い、多くの方が見てくださり、評判も上々。10月は他に山形国際ドキュメンタリー映画祭に行く。シンポジウムのパネラーを務める、ということもありました。そうそう、10月には岡山映画祭プレ企画として、中村智道さんの『ぼくのまち』の上映会も企画したのだ。11月には広島の横川シネマでモーニングショー、岡山映画祭で上映。岡山では風の楽団のコンサートも実現し感無量。この間、東京公開に向けて、チラシのデザインなど諸々が進行。この12月になってやっと形になった。

こうして書いてみると、春先まではとにかく『船、山にのぼる』の完成に向けて、毎日脂汗を流していたことを思い出す。あのいやーな感じはあまり思い出したくないぐらいだ。完成後はしばしぼうっとしていたのだけど、あまりの忙しさに父が亡くなったことをきちんと受け止められるようになったのも、映画完成後だったようにも思う。夏頃は比較的のんびりしていたような気もするけど、あれこれいろんな種をまいていたら、秋に芽を出した、という感じで秋から急に忙しくなった。

とにもかくにもアップダウンの激しい年だったような気がする。

穏やかに年の瀬を迎えられるのはいいことだなあ、とあらためて思う。

未分類 — text by 本田孝義 @ 16:00:45