2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

2010/4/29 木曜日

森村泰昌展/会議

今日は午前中、東京都写真美術館に行って「森村泰昌展・なにものかへのレクイエム」を見た。森村さんの作品は名画に自らがなってしまうシリーズが好きで、折々で結構見てきたと思う。女優に扮するシリーズもいくつか見ていると思うのだが、あまり好きではなかった。その後、今回の展覧会タイトルにもなっている、「なにものかへのレクイエム」シリーズのレーニンとチャップリンの「独裁者」を見たとき、とても感動した。だから「なにものかへのレクイエム」の集大成の今回の展示はとても見たかったのだ。このシリーズの大きな特徴は有名な報道写真に題材をとり、森村さん自身が実在の人物に扮していること。展覧会、どの写真・映像を見ても全て森村さん自身。三島由紀夫から山口二矢からチェ・ゲバラからピカソからガンジー、はては昭和天皇まで著名な人物のものもあれば、ベトナムで射殺される人を撮った有名な写真もある。こうした森村さん扮する写真を見ながら、当然、20世紀の歴史や写真史のことなどに思いをはせたり、ドキュメントとフィクションの関係、あるいはシュミレーショニズムなどなど小難しいことは色々語れると思うのだけど、絵画のシリーズもそうだけど、根底には森村さんのエンターテナーとして、大阪のお笑い芸人にも通ずるような、「ちょっと驚かしたれ」という精神があるんじゃないか、と思った。ただ、ふと思ったのは、元々の写真(あるいは人物)を知らない人にはどういうふうに見えるんだろう、というのは気になった。

午後は、バイオハザード予防市民センターの幹事会。6月に総会があるので、検討事項をいくつか。ある見解の発表をどうするか、など話し合い。

未分類 — text by 本田孝義 @ 22:23:10