2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

2010/4/23 金曜日

「カシオペアの丘で」

重松清著「カシオペアの丘で」を徹夜で一気読み。やっぱり僕は重松さんの小説は好きだなあ。本作では主人公・シュンが僕とほぼ同年代(設定では一つ違い)でありながら、ガンになるという、なかなかに重い設定。冒頭は4人の幼なじみが小学校4年生、丘の上で星を見上げるところから始まる。(舞台は北海道。)彼らの30年後の話。重松さんの文章は技巧的ではないし、一見単純な話のようでも、言葉の選び方・並べ方・描写などは、よく考えられている。ラスト近く、出来すぎとも言えなくもないが感涙。個人的には主人公・シュンが、ラスト、ニュータウンへ帰るんだ、という表現や、自分が関わった造成中のニュータウンを息子に見せる場面など、さりげなく「ニュータウン」という言葉を入れているところにも重松さんらしさを感じたりする。

未分類 — text by 本田孝義 @ 21:50:40