2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

2008/2/11 月曜日

川俣正「通路」

おとといから東京都現代美術館で「川俣正 「通路」」が始まった。多分、久々の個展のはずだ。早く見たいな、と思いつつ連休中は人が多いかも、と思ったり、展覧会期間中に進化することもありそうだから、もう少し先のほうがいいかと思ったりしていたのだが、ホームページを見ると、カフェ・トークがあることを知って、今日、行くことにした。

そもそも東京都現代美術館はいろんな人に「不便」なんて言われているのだけど、僕は錦糸町に引っ越してからはバス1本で行ける便利さになった。だけれども、なぜか足が遠のいてしまっていたのだが、今日はそのバスで行った。本当にエントランス近くにバスが止まる便利さ。

そのバス停を下りると、何やらコンパネのついたてが並んでいる。土嚢を置いている様も生々しいが、「すげ~」という物量・迫力ではない。正直言って、少し拍子抜けした。現代美術館の中にも同じサイズのコンパネが、ずらずら並んでいる。会期が始まったばかりだからだろうか、木の匂いがしているのが意外・新鮮だった。だけれども、ロビーを歩き、展示室を入りながらもどこか違和感を覚える。今までのプロジェクトの写真・設計図・模型なども展示してあり、さながらドキュメントである。さすがにこれらは面白い。では肝心の”通路”はどうなのかと思っていたら、半分ぐらい歩いた時に、先の違和感がぐるっと反転した。むき出しのコンパネはどうみても美しくない。その美しくない光景をやや引いて見ていると、美術館という場が突然くるっと裏返ったような変な、妙にざらついた空間に感じられるのだ。これは不思議な感覚だ。

あるコーナーでは映像作品が上映されていて、前から見たかった『椅子の回廊』が見れてよかった。もう1本”Sur la voie” も見れた。両作とも美しい。

そして、家に帰ってからある妄想が浮かんだ。もしかすると、”通路”というコンセプト自体、川俣さんがどこかに「抜けたい」と思っている証なのではないかと。

その後、「MOTアニュアル 解きほぐす」も見る。僕は金氏徹平、手塚愛子がよかった。

食堂で遅い昼食をとったあと、Cafe Talkへ。今日のゲストは坂口恭平さん。建物を建てない建築家、というのも面白いがホームレスから学べる視点があるという話は、坂口さんのハイテンションとあいまって面白かった。川俣さんの話ももっと聞きたかった、という気がしなくもないが。坂口さんの話を聞きながら、大学の後輩である、曽木くんが出版した「ASAKUSA STYLE」のことを思い出したりしていた。

トークの後、思い切って川俣さんに話しかけて、『船、山にのぼる』のDVDをお渡しする。何せ川俣さんと言えば、PHスタジオのお師匠さん(現代美術で師匠というのは変なのだけど、PHスタジオは元々川俣さんの助手として出発したチームなのだ)でもある。「噂は聞いてます。見たいと思ってたんですよ。」と言っていただけてうれしい。お忙しいとは思うのだけど、見ていただければなあ。学芸員の方にチラシを渡そうとすると、「明日の試写に行こうと思ってます」と言われた。こうして少しでも広がるといいんだがなあ。

未分類 — text by 本田孝義 @ 19:59:44