2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

2008/8/15 金曜日

第3回ガンダーラ映画祭/広島上映

今週は勝手に「お休み」と決めてはいるのだけど、いくつか気になることがあったので事務所に行った。まずは、UPLINKからの日報をチャック。昨日が平日だったので気になっていたのだけど、極端に入場者数が落ちた、ということはなくてほっとする。上映が始まって約1週間、まずまずといった感じでしょうか。明日からは広島の横川シネマで上映開始。1週間は東京と広島で上映されている、という状態が続く。

その後、UPLINKへ行って、第3回ガンダーラ映画祭、Cプログラム、Aプログラムを見る。全作品の感想を書くと大変なので気になった作品のことだけど。噂のChim↑Pomnの『アイムボカン』は中盤のオークションがアート界へのパロディになっていて面白かった。AプログラムのChim↑Pom作品は、カラスの大群を呼び寄せる映像がシュールで秀逸。井土紀州の『人に歴史あり』は短編、それも新聞・雑誌記事で構成した作品でありながら、井土らしい黒々とした作品で面白かった。2プログラムを見終わったら、なぜだかどっと疲れたけど。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:27:18

『いま ここにある風景』

今日は『いま ここにある風景』というドキュメンタリー映画を見た。簡単に言うと、カナダのエドワード・バーティンスキーという写真家と彼の写真を中心にしたドキュメンタリー。このバーティンスキーという人の写真は、映画の原題でもあるように「マニュファクチャード・ランドスケープ」(産業の風景)を切り取ったもの。それらの写真は痛ましくも美しく、スケール感もあるようなもの。それらの写真が好きか嫌いか、で映画の見方も大きく左右されると思う。僕は工場地帯とか、廃墟とかの写真も好きなので、概ね好きな部類の写真ではある。今作では特に中国の風景が中心。その工業化した風景はすざまじい。ただ映画としては微妙なところもあって、バーティンスキーという写真家のドキュメンタリーでもなければ、中国の現在を生々しく描くわけでもなく、写真論でもない。そこがいい点でもありながら、微妙な感じでもある。まあ、写真の世界を追体験させるようなものではあるのだが。個人的には三峡ダムの工事現場を見れたのはよかった。その想像を絶する巨大さ!(移住させられる住民の姿は多くのドキュメンタリーで見てきたのでそれほど感じるものはない。)理由ははっきりしないのだが、僕は最後のほうで気分が悪くなってきた。クレジットを見ながら、撮影のピーター・メトラーってどこかで聞いた名前だなあ、と思っていたら、かつて山形映画祭で見た『ピクチャー・オブ・ライト』の監督だった。もっともこの映画、オーロラがきれいだった印象しかないのだが。

未分類 — text by 本田孝義 @ 0:39:36