2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

2008/7/23 水曜日

興行

映画館で映画を上映するということは、普通、「興行」と呼ばれる。少し年配の方なら、いかがわしい世界のことを思い浮かべるかもしれない。興行は水物、ともよく言われるが、確かにそういう面もあるし、ある種のギャンブルでもある。なぜかと言えば、どういう映画がヒットするか、なんて誰にも分からないからだ。昔から言われていることだけど、「いい映画」がヒットするとは限らない。映画を公開するには宣伝費などそれなりにお金がかかるわけで、規模は全然違うとは言え、シネコンで全国一斉公開される映画も、ミニシアターで公開される映画も基本的には変わらない。場合によっては公開できないことだってあるわけだ。

普通は映画館での公開を念頭に製作されることが多いわけだけど、インディペンデントの映画も増えてきたから、製作中から公開が決まっていなくても制作される映画もいっぱいある。そもそも、ドキュメンタリー映画が映画館で恒常的に上映されるようになったのだって、この10年ぐらいだ。だからインディペンデント映画、ドキュメンタリー映画も、映画館で公開するなら「興行」というシステムに関わらざるをえない。嫌ならそのシステムの外で上映すればいい。そういう監督も、映画もある。僕はどちらが正しい、とは思わない。

映画館で上映するのはなかなか大変だけど、面白くもある。少なくとも僕はまだまだ出会える人がある、と信じている。

・・・なんてことをぐだぐだ考えたりしていました。正直、名古屋の公開は苦戦している。東京のアンコール上映も不安がある。だからでしょうか、こんなことを考えるのは。

未分類 — text by 本田孝義 @ 21:39:02