2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

2008/4/4 金曜日

いよいよ明日・・・か

今日は劇場に張り出すための、『船、山にのぼる』を紹介してくれた掲載物を模造紙に張っていった。手際よく、原田さんが選んでくれたので楽だった。思えば、はじめは劇場に張るほど紹介されないんじゃないか、と思っていたけど、それなりに多くの媒体が取り上げてくださった。今日も2件の問い合わせがあり、公開中にも出る雑誌・新聞がある。

掲示物をユーロスペースに届けて、とりあえず、準備完了。

いよいよ明日初日。思えば長かったような短かったような宣伝期間だった。やりきれなかったことも多々あるけれど、明日の初日を穏やかに迎えよう。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:26:24

取材/真夜中の宴

あれこれ細々とした用事をしていると時間があっという間に経ってしまう。

途中、用事があってPHスタジオに電話をしたら、なんと(昨日聞いていて忘れていた)彼らは広島県の灰塚にいた!なんでも急にアサヒビールの方が船を見たいという話になって、現地を案内していたのだ。船も無事だったそうです。

ついでに書くと、サプライズイベントは諸般の事情で延期になった。本当は映画上映前、上映中に企画していたのだけど、難しくなったみたい。(企画していたのは、映画にも出てくる灰塚神楽団の公演でした。でも、多分、そのうちやります。)

夕方、コバヤシ画廊にて美術ジャーナリストの村田真さんと待ち合わせ。昨日のトークイベントの時に急遽決まった。近くの喫茶店で、映画にしようと思った動悸などの取材を受けた。村田さんは北海道新聞に連載を持っておられるらしく、「船をつくる話」の記事を書かれるとのことでした。

帰り際思い出して、八重洲ブックセンターに寄る。映画を紹介しているはずの建築ジャーナルを買う。なかなかに厳しい批評。

一旦事務所に戻って、事務作業。プロデューサーの伏屋さんから電話。近況をお話しする。

原田さんに用事があって電話したら、なんとヤフーのエンタメコーナーのトップニュースが『船、山にのぼる』になっていることを教えてもらった。まあ、ネットニュースだから短い命でしたが、それでもえらく大きな扱いだったことはちょっと驚き。

夜、ユーロスペースに行って、「桃祭りpresents 真夜中の宴」を見る。9人の女性監督の短編集。壱の宴は見れなかったのだけど、今日から弐の宴初日。この間、『船、山にのぼる』を始め、旧作まで見てくれた、木村有理子さんの作品も上映されるとあっては駆けつけねばなりますまい。

まずは、満席の会場に、は~とため息。あさって、僕はこの同じ会場で満席に出来るだろうか。僕の頭の中は、失礼ながら自分のことで不安がよぎるのでありました。

それにしても、初日満席、というのはやはりいいもんですね。映画の興行は残酷な面もあって、初日の入りで残りの入りもほぼ見えてしまう。大体、最初よくて中だるみして最後にまた上がる、というのが通常のパターン。だから、最初が悪ければどんなにがんばったって、全体の数字が見えてくるのだ。僕は知った人が関わった映画で2本、ユーロスペースの初日、あまり入っていない光景を見たことがある。別に、宣伝をサボっていたわけじゃなくって、汗だくでやっていた。それでも入らなかった。初日がそういう状態だったから、やはり全体の入場者数は少なかった。また、ある作品では同じくユーロスペースで初日満席だと思ったら、やっぱりトータルで入っていた。だから、初日はとても大切なのです。(そう言えば、僕が始めて映画館で公開した『科学者として』は初日満席だった。あの感動は今でも忘れない。)

そんなわけで、たまたまこのブログを読んだ方、ぜひ、初日、あさって5日(土)に来てくださいね。

前置きが長くなった。今日上映されたのは5本。いずれも短編。まずは共通しているのは、女性監督、というだけではなく、さすが映画美学校で学んだだけあって、どの作品も技術がしっかりしていて、端正。もう一つの共通項はある喪失感みたいなものも。ただ題材、描き方はまるで違う。そこがまとめて上映する面白さなのだろう。

全作品の感想を書くと大変なので、さぼって、木村さんの作品だけ。『daughters』は、久しぶりに建築を感じる作品だった。家が舞台、というだけならよくある話だけど、きちんと家を機能させる映画というのは意外と少ないのだ。自然光を生かした撮影にも好感が持てた。さらに、スタンダードの構図も効果的。僕は、個人的には「三角関係」の話って好きではないのだけど、見せられてしまったのは上記のようなことがあるからだと思う。

帰り際、ユーロスペースの北條さん、岡崎さんに「あさってよろしくお願いします」と挨拶しつつ、宣伝の原田さんと「あさって大丈夫かなあ」と言いながら渋谷駅で別れた。

未分類 — text by 本田孝義 @ 1:55:12