2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

2008/4/15 火曜日

ドキュメンタリー映画

公開が始まり、打つ手もなくなり(いや、本当はやれることもあるはずだが・・)かと言って、次の仕事もあるわけでもなく、かと言って、どこかに旅をするわけにもいかず、こんな時は気になる映画を見るに限る。

ドキュメンタリー映画が映画館で上映される光景は普通になった、と思う。映画館でドキュメンタリー映画を見ることが難しかった時代を知っている者としては大変嬉しい限り。そりゃー、作品の良し悪しはあるだろうけど、それは劇映画だって同じこと。僕はドキュメンタリー映画が好きだから、出来るだけ見たいと思っている。もっとも、最近は音楽ものなども多く、見逃す映画も増えてきた。

今日はモーニングショーで『心理学者 原口鶴子の青春』を見た。監督の泉悦子さんが舞台挨拶をされていた。そもそも、僕はこういう人がいたことを知らなかったから、とても興味深かった。ただ、100年前の話を映像にする難しさもあって、少しばかりナレーションが多く、なんだか勉強している気もしてくる。途中、映画の本筋とは全く関係なく面白くなってきたのは、ニューヨークの町並み・建て物。土曜日にトークショーに来ていただく、五十嵐太郎さんの建築に関する本を読んでいるせいか、やたらとた建て物に目がいく。100年近く前の重量感ある建築が、今もこうして残っていることに比べ、日本はどうだろうか、とふと考えてしまう。ニューヨークに留学していた原口鶴子の足跡を辿りながら、自然とニューヨーク建築探訪にも思えてくるのは、別の意味で面白かった。こういう発見があるのもドキュメンタリー映画を見る楽しみ。

今日は珍しく映画の梯子。2本目に見たのは『ファヴェーラの丘』。予告編を見て面白そうだったし、ぴあの出口調査では僅差でこの映画に負けて5位だったから、余計気になる。で、映画の本筋は面白いのだけど、このエフェクトかけまくった画面は見ずらくないか。加えて、空撮を筆頭にやたらピンボケした画面が頻出するのはなぜなのだろう。見ててしんどくなった。もう一つ言えば、主人公であるアフロ・レゲエはとても魅力的なのだけど、もっと演奏が見たかった、というのが正直なところ。もっと、熱い映画を期待していたのだけどなあ。そういえば、川俣正さんには、”ファヴェーラ”シリーズがあった。

そんなことを書きながら、入場者数を日々つきつけられる今日この頃。

未分類 — text by 本田孝義 @ 20:40:24