2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

2010/6/13 日曜日

「空想 皇居美術館」

「空想 皇居美術館」という本を読んだ。内容を簡単に書くのがやっかいなので、コピペすると、皇居に、大英博物館やルーブル美術館のような巨大美術館を造ろう!そこに鎌倉の大仏など日本中から“超一流”作品を集めて展示しよう!こんな気宇壮大な空想の自由を追求して、アートや建築の専門家、政治学者、社会学者、精神科医までが集まって侃々諤々。前代未聞の美術・建築/思想書、という本。元々の出発点は、美術家・彦坂尚嘉さんのアイディアから。一種の思考実験みたいなところがあって、「皇居」という、馴染みがあるはずなのに存在しないかのように「タブー化」した空間をどう考えるか、という思考はスリリング。僕は、あるギャラリーで表紙にもなっている、彦坂さんの模型(彫刻)を見たことがあって、何だこれは、と思ったことがあった。その時は正直よく分からなかったのだけど、本書を読んでいろんな発見があった。特に驚いたのは、建築家の新堀学さんらが皇居の大きさを見るためにシュミレーションした、世界の美術館を仮に皇居に持ってきたら、という図だった。世界的にも大きいと言われる、ルーブル美術館、メトロポリタン美術館、バチカン美術館、大英博物館など全てがすっぽり入るうえに、クフ王のピラミッドまで!普段、全然意識していないのだけど、世界的にも過密した都市・東京のど真ん中にこれだけ大きな皇居があるというにはあらためて驚く。面白い本だった。

未分類 — text by 本田孝義 @ 21:15:57