2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

2010/6/2 水曜日

「誰も国境を知らない」

西牟田靖著「誰も国境を知らない―揺れ動いた「日本のかたち」をたどる旅」を読み終わった。いい本だった。島国日本はまさに海に囲まれているわけで、国境は海上にある。そして、陸地としては島がその最先端になるわけだ。北方領土のように島の帰属をめぐって問題が多数存在している。著者はそうした島々を直接旅をし、風土を見、暮らす人々と出会う。このニュートラルなスタンスがいい。決してナショナリズムを煽ることなく。それにしても、島に渡るために数々の困難・ハードルがあって、そこが「国境」の複雑さを逆説的に証明している。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:30:50