2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

2009/12/1 火曜日

『2012』

映画の日とは言え、なんで目新しくもない地球滅亡映画『2012』を見たかと言うと、映画の内容を読んでいると、地球滅亡のその先、つまりこの映画では人類(の一部)を救うために「方舟」を作ると知ったから。

<ネタバレ含む>その「方舟」自体は、ヒマラヤの山奥で中国人によって3年間で作られる、という設定で、中国市場を意識した気を見るに敏なハリウッドらしいと言えばハリウッドらしいのだが、肝心の船を作った中国人は乗船を認められないので、中国語圏では賛否両論渦巻いているらしい。そりゃあ、そうだろう。もっとも、でかい船に乗って助かる、という話もそれほど面白くない。要は、最初から最後まで、心がこもっていない見世物を見せられる感じか。結局はいつかどこかで見た話の連続というか。CGがいくら物量で派手になろうと。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:37:51

『クリスマス・キャロル』

ご存知のように、映画界では今年「3D映画元年」(実際には何度目かのブーム)などと言われていて、ハリウッド映画を筆頭に立て続けに3D映画が製作・公開されている。見てみたいなあ、と思いつつずっと見逃してきた。ふとチェックしてみれば、自宅近くのTOHOシネマズが、確か今までは3D対応ではなかったはずが、ここにきて3D映画の上映を始めたようだ。それもこれも、正月映画の本命(なのかどうかよくわかりませんが)『アバター』に向けての対応なのかもしれない。『クリスマス・キャロル』が3D上映していたので見てみた。なお、料金は通常より高いのだが、追加料金300円で見れるシステムにしたようで、回数券と併用すれば1400円ほどで見ることが出来る。(今までは当日2000円とかの劇場があったので、さすがに高いかなあ、と思っていた。)ちなみに、新宿の閉館したテアトルタイムズになる前のIMAXでは結構、3D映画をやっていて、ジャン・ジャック・アノーの映画や、海洋ものドキュメンタリーの3D映画など何本か見た記憶がある。その時の印象では、昔、一瞬だけブームのように言われた時代に作られた『ジョーズ3D』の頃より見やすかった、と思う。さて、今日の話。劇場に入る時に3D用メガネを渡される。予告編は普通なのでメガネをかける必要はない。(でも、予告編がフィルムではなく、ビデオプロジェクターだったのは少し驚いた。加えて、流された日本の映画の予告編が、どう見てもビデオ撮りの作品のようにも思え、そういう時代になったんだなあ、と少し思う。)続けて、今後上映される3D映画の予告編。まずは、予告編ではないが、『アバター』の一場面。正直言って、通常の予告編を見た時にはとても違和感があったのだが、3Dで見ると見てみたいなあ、という気になった。だから、宣伝としては正解なのかもしれない。それから気づいたのは、今日見た『クリスマス・キャロル』もそうだが、3Dだと字幕はしんどいだろうから、基本的には吹き替え版なんだろう、と思っていて、予告のせいもあるのだろうが『アバター』の一場面は字幕だった。確かに見ずらいかもしれない。続けて、数本の3D映画の予告。個人的にはティム・バートンの新作『アリス・イン・ワンダーランド』が楽しみ。・・と前置きが長くなったが、『クリスマス・キャロル』である。正直言って、内容はもともとあまり興味がなかった。実写撮影をキャプチャーしたアニメのような実写のような、人物像も気持ち悪そうだった。この気持ち悪さは、2Dで見るよりは3Dのほうがまだ違和感は薄かった。映画を見始めてから、どうにもメガネが汚れている気がして気になってしょうがなかった。タイトルロールから3Dの絵作りを意識した構図が気持よかった。が、そういうことは長続きしない。主人公・スクルージが過去・現在・未来の自分を見て改心する話はクリスマスという背景もあって、キリスト教の説話みたいで、信仰心のない僕にはあまり説得力がなかった。だから、結局、3Dだのなんだの騒いでみたって、面白い映画は面白いし、面白くない映画は面白くない、というのは変わらないだろう。また、人間の眼は本当はとても繊細なはずで、3D映像(所詮擬似的なもの)を長時間見ていると、さすがに疲れる。『クリスマス・キャロル』では、結局、雪が降る映像が3Dにあっていて一番良かった、と思った。(蛇足ですが、先日閉幕したヨコハマ国際映像祭では、数日で作品を撤去した藤幡正樹さんの「Simultaneous Echos」が3D作品でした。)

未分類 — text by 本田孝義 @ 0:14:53

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