2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

2009/10/25 日曜日

灰塚に行ってきました

昨日、朝一番の飛行機で広島へ。一番の目的、えみき伝承祭は夕方からだから、時間はたっぷりある。そこで、PHスタジオの方々と灰塚ダム周辺をじっくり見て回ることにした。ここ数年、灰塚に来ても、上映でドタバタしていたりしてなかなかゆっくり見て回ることが出来ていなかったので、いいチャンスになった。特に、ダムができてからも周辺環境の整備、アースワークプロジェクトの最終成果などが進んでいたのだが、見ていない箇所があったのだ。お勧めは”ウェットランド”。ダムに水が溜まると言っても、通常の水位と100年に一度の洪水を想定しての水位ではかなり違いがある。このウェットランドは、通常は水がたまらないが、洪水時には水が入る可能性があるような場所。そこを整備して、鳥などが生息し観察できる場所にしたところ。きれいな水辺、鳥たちを見ていたら、ここがダムエリアの中にあることを一瞬、忘れてしまう。全国でもここ灰塚ほど大規模に整備されたところはないそうだ。そして、当然、船の様子も見る。前方が以前よりさらに落ちかけていて、木の強度も含めて崩壊が進んでいる印象。もっとも、自然に朽ちていけば、という考えもあってそのままにしていることでもあるので、自然に進めばいいのだが、と思う。船がのった山には木が大きくなり、草もかなり生えてきていた。こうして、いくつかの場所を見て回っていると、いつの間にか夕方に。

午後5時半からいよいよえみき伝承祭。神事に始まり、御詠歌、パネルディスカッション、イルミネーションの点灯式、ビデオ上映、詩の朗読、えみき音頭(正式名称は失念)、コンサートと盛りだくさん。えみき爺さんをみんなで移植したことを思い出しつつ、根づかなかったことは悲しいことではあるのですが、これから先に進んでいく、前向きな気持ちが随所に感じられました。広島県の北東ですので、夜はかなり冷え込み、うっかりあまり厚着をしていなかった僕は、途中からかなり寒かったのですが、心はほっと暖かかったです。聞くところによると、えみき爺さんはそのままにして、自然に枯れるのを待つ、とのこと。えみき爺さんの周りには、えみき2世が植えられていました。(僕はてっきり、この伝承祭でえみき爺さんを倒して、新しい2世を植えると勘違いしていたのですが、2世はしばらく前から植えられていたようです。)伝承祭は9時頃終わり、大杉さんの家に行って、宴会。皆さん気分が高揚していて、いろんな話題が出るわ、出るわ。僕個人としては、DVDを発売することが報告できてよかった。いろんなことがあったと思うけど、とにかく前向きに生きていく力があふれていて、僕も皆さんから元気をもらった気がします。日にちをまたいだあたりで、お開き。

翌日(今日)、9時から大谷という場所で白いガードレールに色を塗る、ということを地元の方々、高校生がやられると聞いてPHスタジオの方々と顔を出す。(ちなみに、ここ灰塚ダムではアースワークプロジェクトの成果として、ダム周辺のガードレールは白ではなく、緑っぽい自然環境と馴染む色に塗られている。なぜだか、今日見た一部分だけ白かった。)帰りの飛行機の時間があるので、少しだけガードレールのやすりがけをしただけで、皆さんとお別れ。飛行機で帰京。

その後、バイオハザード予防市民センターの幹事会。

未分類 — text by 本田孝義 @ 21:00:36