2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

2009/5/18 月曜日

パソコン復旧

ハードディスクがクラッシュして、データの復旧ができるか心配だったのですが、ほぼ無事に復旧した。(まだ細かくはチェックしていませんが・・・)ある住所録が取り出せなく、困ったなあ、と思ったのですが、元データが別の形であったので、再度入力し直せばなんとかなるでしょう。それにしても、僕の管理がいい加減なことが原因ですが、こういうデータってもろいものだ。僕は住所などを書いた大きな手帳をいまだにいつも持ち歩いているのですが、これなんか学生時代から使っているから、20年近くになる。多少ぼろぼろにはなっていますが、いまだに現役で、時々は手帳をめくる。こういうアナログなデータのほうが長持ちして役に立つのかもしれない。映画も同じで。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:18:05

2009/5/17 日曜日

バイオハザード?

ついにというべきか、当然というべきか、関西の高校生を中心に新型インフルエンザの感染が広がっている。感染の拡大を防ぐ対策は必要だと思うが、パニックを煽るようなことだけにはならないでほしい、と思う。

その新型インフルエンザですが、オーストラリアのギブスという人が「人為説」を唱えて、WHO事務局が否定する見解を出す、ということが先週あった。人為説=生物兵器、と短絡する人がいるかもしれないが、「人為」と言っても、実験室やワクチン製造施設での発生を指摘したもので、僕もそういう可能性があるのではないか、と思っていたので、専門家の中にもそういう考えを持つ人がいることが分かった。ルーツはなかなか解明されないだろう。人為説はWHOによってあっさり否定されたが、(ギブス氏は「人為説」の論文を発表するそうですが)僕がここで注目したいのは、「バイオハザード」が起きる可能性を専門家が指摘していることだ。実験室からの漏洩の可能性をはなから捨てるのではなく、きちんと検証してほしい、と思う。

未分類 — text by 本田孝義 @ 21:47:30

2009/5/16 土曜日

パソコンがクラッシュ!

今週火曜日、パソコンのモニターが急に映らなくなって、困ったなあ、と思っていたら、ついに起動もしなくなり、あえなくダウン。急遽、専門の業者に頼んだら、ハードディスクがクラッシュしていることが判明。どこまで復旧するか分かりませんが、サルベージを依頼。細々と、事務所の古いパソコンでなんとかメールだけはチェックしていたのですが、ブログも書けず。今日、やっと新しいパソコンを買ったので、こうしてネットにもつながりました。

それにしても、しばらくネットから離れた生活をしていると、自分はそれほどネットに依存していないと思っていたのですが、そわそわと落ち着かない気持ちもあって、意外と依存していたことに気づいた。・・・それでも、しばらくネットから離れていたのは新鮮でもありました。

未分類 — text by 本田孝義 @ 22:12:34

2009/5/10 日曜日

「映画的建築/建築的映画」

昨年、対談させていただいたこともある、五十嵐太郎さんの新著「映画的建築/建築的映画」は、書名を見ただけですぐ読みたくなった本だ。内容は映画の中の建築、あるいはセット美術、建築家を描いた映画など多彩。特に僕が好きな映画のこともいくつか書いてあって、とても面白かった。ご本人が撮影した写真も掲載されていて、読んでいても楽しい。いろんな雑誌などに書いていた文章をまとめた本のようで、いくつか読んだことがあった文章もあったのだけど、こうして「映画と建築」についてまとまめて読めるのはありがたい。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:55:55

「火天の城」

本屋をぶらぶらしていると、ふと気になって本を買ってしまうことがある。今日、読み終わった「火天の城」もそんな1冊。作者の山本兼一は昨年の直木賞受賞者。本作は、松本清張賞受賞作。ということが気になったのではなく、安土城築城を棟梁の視点から描いた、という部分に興味が湧いたのだ。安土城といえば、奇抜な城、今はなき城、という印象しかないのだけど、この小説では城を建てる技術も丁寧に描写されていて面白い。同時に、権力者=織田信長と城の関係も。少し前に読んだ、「巨大建築という欲望」を思い出したりもした。今はない、ということもふくめて、やはり人間は「バベルの塔」を建ててしまうのだろうか。面白い小説でした。と思ったら、すでに映画が製作中のようで、この秋、公開の模様。秋には何本か時代劇があって、相乗効果になればいいけど、共倒れ、なんてことにならないで欲しいなあ。

未分類 — text by 本田孝義 @ 1:13:17

2009/5/9 土曜日

「原口典之展 社会と物質」

今日からBankARTで始まる「原口典之展 社会と物質」を見るために、久しぶりに横浜へ出かけた。

上記の展覧会を見る前に、馬車道駅すぐのBankART1929はヨコハマ・クリエイティブシティ・センター(YCC)として生まれ変わったので、まずはここを見てきた。時間はまだたっぷりありそうなので、たまたまチラシで見かけた、神奈川国際アニメーション映像祭を見に行った。平日夕方のせいか、ほとんど人がおらず、また展示室での上映がちょっと見づらそうなこともあって、ほとんど通っただけだった。ちゃんと見れば面白いものもあると思うけど。

それからやっと、BankART NYKへ。3Fからゆっくり見て廻る。まずはファントムとスカイホークがドンと展示されていて、その迫力に圧倒される。隣の隣の展示室では、オイルプールが。これが驚嘆した作品で、鏡のように天井や外の風景を反射したオイルの表面を覗いていると、別世界に吸い込まれるような、別の空間を覗き込んでいるような気になってくる。また、周囲をぐるぐる歩くと景色が変わる。これは言葉では説明できない。2階の比較的ミニマルな作品を見た後、1階ではまたまたとてつもない、巨大なタイヤのようなゴムを彫った作品がドンとある。3階のオイルプールもそうだったけど、ここのラバーの作品でも匂いが充満していて、物の物質性だけではなく、嗅覚への物質性も強く感じる。とにかく、全館を使った展示は、建物そのものも作品の一部であるかのような趣も感じて圧倒的だ。前々から、ここで個展が見たいな、と思ったことはあったのだが、よく考えればこれだけ大きなスペースに負けない作家なんてそうそういるわけもなく、そういう意味でも画期的な個展なのだと思う。

パーティーまでちょっと時間があったので、開国博Y150の会場の方へ行って見る。まあ、中途半端な時間しかないこともあって、入場料が必要なゾーンはパス。それでも、みかんぐみ設計のパビリオンは見たかったので、周囲をぐるっと廻りながら、なんとか中の様子も覗く。ぱっと廻った限りでは、またちゃんと来よう、とはあまり思えなかったのだが・・。

その後、再びBankART NYKに戻って、オープニングパーティー。知った方々もおられて、ご挨拶が出来てよかった。

未分類 — text by 本田孝義 @ 0:02:06

2009/5/7 木曜日

『沈黙を破る』

映画を見てクタクタになることがある。一つは映画がつまらなくて耐え切れない場合。もう一つは目が画面に釘付けになって全く息が抜けない場合。今日見たドキュメンタリー映画『沈黙を破る』(監督:土井敏邦)は明らかに後者で、ずっと頭がしびれるような、そんな映画だった。いわゆるパレスチナを日本人が撮ったドキュメンタリー映画は、近年でも何本かある。監督が違えば自ずとアプローチも違うので一まとめには出来ない。この映画を見始めた時は、少々、ぶっきらぼうに始まるので、パレスチナの難民キャンプの光景に慣れるのにしばらく時間がかかった。しかし、難民キャンプがイスラエル軍に包囲され、銃声がけたたましく鳴ると体が硬直するような緊張感を感じる。また、虐殺が行なわれたジェニンのすざまじい光景に心身ともに凍りつくような感覚を覚える。そしてこの映画が興味深いのは、元イスラエル軍兵士達が自らの加害性を赤裸々に見つめた写真展(映画のタイトルはこの写真展のタイトルでもある)を開き、ビデオカメラの前でいかに「兵士」になるかを語っていることだ。巧みな構成のおかげもあって、「被害」と「加害」の関係が頭の中で回転し始める、思考する。パレスチナとイスラエルの関係を考えながら、「暴力」の普遍的な問題まで思考は回る。いい意味でどっと疲れる130分だった。

未分類 — text by 本田孝義 @ 21:52:14

2009/5/6 水曜日

雨が降る休日は・・・

連休最終日は雨。もとからどこにも出かける予定がなかったので、家でDVDを見ていた。見たのは黒澤明監督の『影武者』。ちょっと気になることがありまして・・・。昔、テレビで見ただけでずっとひっかかっていたので。こんなに引きの画面ばかりだったとは思わなかった。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:30:47

今日もメイシネマ祭’09

今日も昨日に引き続き、メイシネマ祭’09に行く。1本目は『緑の海平線 台湾少年工の物語』。第二次世界大戦末期、台湾から日本に来て、航空機製造に従事した少年工の記録。僕も知らなかった事実だが、歴史を丹念に紐解いた力作。ただ、昨日書いた『タクシー~』と同じで、全編音楽が鳴っているのがどうも気にかかる。音楽はあるポイントで響かなければ、結局、印象が弱くなると思うし、せっかく証言している方たちの語りも弱くなると思う。そこが少々残念。2本目は『里山っ子たち』。この作品も見逃していたので見れてよかった。千葉県木更津市の保育園の記録。近くに里山があり、もう、泥だらけになって遊ぶ姿がいっぱい出てくる。見始めた時は、少々、説明的なナレーションが気になったのだけど、ちゃんと途中からナレーションがほとんどなくなって、子ども達の生き生きした姿に釘付け。特に、中盤辺りでは各々のキャラクター、関係もよく見えてきてさらに面白い。見ながら、こういう撮影は楽しいだろうなあ、こんな楽しい映画をいつか作ってみたいなあ、なんてことも思った。上映後の原村監督の話では、それでも最初の数ヶ月はどこに焦点をしぼるかなかなか見えず苦しかったとか。端から思うほど、楽じゃない。それでも楽しい映画でした。

今日はこの2本を見て帰る。今回は結局合計5本を見た。3日間で13本の上映だから、今年は少なかった。(見ていた作品があったこともあるけど。)ぶつくさ偉そうなことを書いたりしたが、まずはこうして見る機会を作ってくれている藤崎さんに感謝したい。今までいったいこの上映会でどれほどドキュメンタリー映画を見たことだろう。そしていつも肩肘張らず見れる雰囲気なのもうれしい。

帰り道、伊勢真一監督と一緒になり、あれこれドキュメンタリー映画について話しながら帰った。

未分類 — text by 本田孝義 @ 0:43:59

2009/5/4 月曜日

メイシネマ祭’09

ゴールデンウィークと言えば、メイシネマ祭である。昨日は行かなかったのだけど、上映2日目の今日は行ってきた。代表の藤崎さんの挨拶文を読むと、今年で20年目に突入だとか。多分、ドキュメンタリー映画の上映会としては、今やもっとも歴史ある上映会になったんじゃないでしょうか。お客さんが少ない時期もあって、厳しい時もあったようですが、近年は多くの方が来られていて、常連の方も増えたようだ。それにしても、20年も継続しているのは本当にすごいことだと思う。僕も大学を卒業してからそれなりに参加しているから、15年ぐらいになるということでしょうか・・・。

さて、今日は3本見た。まずは、『あもーるあもれいら 第2部 勝つ子負ける子』。メイシネマでも今やすっかり常連となった岡村淳監督の最新作。今日もブラジルから会場に来られていた。作品はブラジルの貧しい子どもたちが通う幼稚園を描く3部作の2作目。僕は第一部も見ていた。貧しい子ども達の背景も少し描かれているのだけど、僕が今日見ながら思っていたのは、なんて賑やかな映画なんだ、ということ。とにかく、1時間45分の間、1時間半ぐらいはずっと子どもの声が聞こえていたはずで、その騒々しいこと!また、映画の作りもいい意味でグダグダ感があり、グルービーな映画だな、と思った。2本目は『つぶより花舞台』。見逃していたので見れてよかった。映画はシニア劇団の旗揚げ公園のドキュメンタリー。途中、急に本番になって、えらくせわしない展開だなあ、と思ったら、そこからさらに稽古風景に戻っていく、ちょっとアクロバチックな構成。そう来たか、と思って途中までは楽しかったのだけど、さすがに何度も続くと少々飽きた。もう1ヶ所、フックがあればもっと生きたんじゃないか、と思ったりした。3本目は『タクシー・トゥ・ザ・ダークサイド』。タイトルだけ聞くとなんの映画か分からないが、アメリカが「テロとの戦い」で設置した収容所を描く、へヴィー級の作品。なんでも昨年、アカデミー長編ドキュメンタリー賞をとったのだとか。(脱線ですが、ドキュメンタリー賞がない日本のアカデミー賞はその点でも本場に負けますね。)この映画は、アフガニスタンのバグラム空軍基地の拘禁施設やイラクのアブグレイブ刑務所、キューバのグアンタナモ収容所などでいかなる論理で拷問が行なわれたのか、さながら推理小説のように緻密に検証していく。その展開には息を呑むのだけど、映画の作りはCBSドキュメントのような、インタビューを中心にしたものなので、意外と平板。音楽もずっと鳴りっぱなしだし。そうは言っても、「拷問の論理」に背筋が寒くなるのも確か。こういうジャーナリスティックな作品が生まれてくるのも、アメリカのいい部分なのだろう。

明日も見に行く予定。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:23:17

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