2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

2009/5/10 日曜日

「映画的建築/建築的映画」

昨年、対談させていただいたこともある、五十嵐太郎さんの新著「映画的建築/建築的映画」は、書名を見ただけですぐ読みたくなった本だ。内容は映画の中の建築、あるいはセット美術、建築家を描いた映画など多彩。特に僕が好きな映画のこともいくつか書いてあって、とても面白かった。ご本人が撮影した写真も掲載されていて、読んでいても楽しい。いろんな雑誌などに書いていた文章をまとめた本のようで、いくつか読んだことがあった文章もあったのだけど、こうして「映画と建築」についてまとまめて読めるのはありがたい。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:55:55

「火天の城」

本屋をぶらぶらしていると、ふと気になって本を買ってしまうことがある。今日、読み終わった「火天の城」もそんな1冊。作者の山本兼一は昨年の直木賞受賞者。本作は、松本清張賞受賞作。ということが気になったのではなく、安土城築城を棟梁の視点から描いた、という部分に興味が湧いたのだ。安土城といえば、奇抜な城、今はなき城、という印象しかないのだけど、この小説では城を建てる技術も丁寧に描写されていて面白い。同時に、権力者=織田信長と城の関係も。少し前に読んだ、「巨大建築という欲望」を思い出したりもした。今はない、ということもふくめて、やはり人間は「バベルの塔」を建ててしまうのだろうか。面白い小説でした。と思ったら、すでに映画が製作中のようで、この秋、公開の模様。秋には何本か時代劇があって、相乗効果になればいいけど、共倒れ、なんてことにならないで欲しいなあ。

未分類 — text by 本田孝義 @ 1:13:17