2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

2011/1/6 木曜日

『カシム・ザ・ドリーム』『ビン・ラディンを探せ!』『ステロイド合衆国』

今日は昨日に続いて”リアル未公開映画祭”に行ってきた。何を思ったか、3本立て続けに見る。まず『カシム・ザ・ドリーム』。内容をコピペしますと、6歳のときに誘拐され、ウガンダ国民抵抗軍の兵士として強制的に大量虐殺の訓練を受けた過去を持つ、IBFジュニア・ミドル級チャンピオンのカシム・オウマを追った感動のドキュメンタリー。今日見た中では一番面白かった。カシム本人のキャラクターも、内容を聞くと悲劇の主人公みたいに思うけど、どこか悪戯っ子のような趣もある。2本目は『ビン・ラディンを探せ!』これも面倒なので内容をコピペすると、ビッグマックを食べ続けて話題を呼んだ「スーパーサイズ・ミー」の監督モーガン・スパーロックが、前作同様、監督自身が「主役」となり、「オサマ・ビン・ラディンはどこにいるんだろう?」と質問しながらイスラム諸国を駆け回る。相手を「テロリスト」と決め付け、そこで暮らしている人々の姿を見ようとしないアメリカ人に向けて、自分たちが戦争している国の実態を見せ付ける作品。ゲームっぽい画面を作ったり、ポップな作りを意識しているのだけど、描いていることはまぁ、それほどでもない。逆に言うと、これぐらいのこともアメリカでは知られていない、ということか。監督のモーガン・スパーロックっていう人は、前の作品でも思ったけど、根は普通の人かもしれない。3本目は『ステロイド合衆国』。これもコピペすると、アーノルド・シュワルツェネガー、ハルク・ホーガン、シルヴェスタ・スタローン等に憧れ、ステロイドを使用し続けている監督自身の兄と弟のエピソード。また、プロスポーツ選手や医療係のエキスパートたちへのステロイドに関するインタビューを通して進行するドキュメンタリー。「ステロイドの使用はアメリカ社会を反映している」という真実を暴く。この作品を見ながらうらやましい(?)と思ったのは、映画やニュースが膨大に使われているから。もちろん、著作権等クリアーしていると思うけど、その使用料って、どのくらいなんだろう。映画の始まりからは、単純にステロイド批判の映画かと思ったら、単純なステロイドたたきでは終わっていない。ステロイドを使うことには問題がない、という立場の人も多く出てくる。ベン・ジョンソン、カール・ルイスのインタビューも。この映画の縦軸は監督本人の家族の物語。そう言えば、僕は2002年にアメリカのマッチョ志向を揶揄した(つもりの)『マッチョ・ウォー』という、ラップPVもどきの映像を作ったこともあった、というのを思い出した。本作の途中でも、マッチョ志向を指摘する学者が出てくるけど、もう少しその辺を描いてくれたらもっと面白かったと思う。途中で少し疲れました。3本とも、実のところは分かりませんが、作り方はどこかテレビ的。(映画的、との違いは何?というのは長くなるので今日のところは省略。)

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:07:18