2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

2010/11/13 土曜日

劇団大樹第11回本公演「マダムグラッセの家」

今日は午後から川野誠一さん(「船、山にのぼる」のナレーションをしていただいた)主宰の劇団大樹第11回本公演「マダムグラッセの家」を見に行った。小さな劇場・小さな空間だけど毎回舞台美術に力が入っていて、今回も木と家(ホテル)が同化したような素敵な空間が心地よかった。加えて、ハンドネオンが劇中、生演奏という豪華さ。今回が5本目となるそうだが、「マダムグラッセの家」はみ群杏子さんの作品。ホテルの女主人が提供する魔法の力を持った砂糖菓子の力で登場人物たちが過去と現在、夢と現実を行き来する。これまでもどこかファンタジックな世界観を持った作品だったけど、今回も不思議な気分に。そしてちょっと甘酸っぱい。僕は演劇には詳しくないけれど、こういうお芝居こそ誠実に丁寧に演じないと成立しないのかも、と思って見ていた。その点、川野さんをはじめ出演者の方々の丁寧なお芝居が作品世界を支えていると思った。見終わった後、ふっと心が少し軽くなるような、そんな気持ちになりました。聞くところによると、劇団大樹は今年15周年だそうですが、今作をもってしばらく休止とのこと。以前のことは僕はよく知らないのですが、劇団、と名乗っていても、団員は主宰者の川野誠一さんだけで、毎年、多くの方を客演に迎えて上演を続けてこられたようだ。今後の活動については僕は知らないのだけど、どういう形ででもまたいつかお芝居を見れる日が来ることを願っています。

未分類 — text by 本田孝義 @ 21:51:42