2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

2010/2/27 土曜日

『コララインとボタンの魔女』

人形アニメはけっこう好きで、ちょくちょく見ていたりする。『コララインとボタンの魔女』は3Dということもあって気になった。(見たのは日本語吹き替え版。)人形の質感やセットの質感が立体感を持って見れるので、こういう人形アニメと3Dというのはとても相性がいいように思った。『アバター』に違和感があったとすれば、いかにもCGで描かれた映像に無理やり立体感を持たせたような感じにもあったことは確か。本作は楽しんだのだけど、魔女が作り出したもう一つの世界がちょっとくどいかな、という気もした。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:28:08

第2回恵比寿映像祭

昨年はどうしたわけか見逃した恵比寿映像祭。先週から第2回が開催中でうっかり忘れていた。今年も見逃すとこだった・・・。というわけで、今日、見に行ってきた。感想を書く前に、いくつかの疑問。この映像祭も大きく言って展示と上映から成り立っている。上映の方は上映プログラムとして開始時間・作品の時間がチラシなどに明記しているので、見る上では、まあ、混乱はないだろう。問題は展示である。近年、美術展でも映像作品が増えて、「展示」される映像が多いのだが、チラシなどには作家名は大きく出ていても、その作品がどれぐらいの上映時間なのかが明記されていない。もちろん、絵画と同列に扱うなら時間は不要な情報かもしれないが、映像作品の場合は(写真をのぞく)どうしても時間芸術という側面もあるので、たっぷり全部見た場合、トータルでどれぐらい時間がかかるのか、おおよそでも知りたかったりする。僕も、ある作品を全部見ずにぱっと見て済ませることも多いのだが、それはついつい全部見てると時間がないや、という意識が働くせいでもある。大体は、作品のキャプションに時間が明記されていて、見るときの目安にする。こうした鑑賞態度は、いかにも「映画」に毒された鑑賞態度、とも言えなくはないが、もう少し見る前の情報があってもいいのではないだろうか。例えば、今日、見た(というか聞いた)多数のアーティストが参加した、音声によるインスタレーション作品は、興味深いアーティストが多数いるのだけど、その場で配られた資料を見ると、91分とあった。初めから知ってれば、もっと時間に余裕を持って来たのに、と悔みながら、触りだけを聞いてその部屋は出た。で、展示だけですが、全体のテーマ「歌をさがして」というのが、どうもよく分からない。心に響くものが少ないというか。とは言え、何人も面白い作家がいるにはいたのですが。以前から面白い作家だなあ、と思っている山城知佳子は、この映像祭で見た作品もとてもよかった。テーマを笑えるほど(実際に見ていた方は爆笑していた)愚直に提示した都築響一は、さすがと言うか何と言うか。かつてのレーザーカラオケの映像があんなにおかしかったなんて。(でも、今より趣はあるかも。)もう一つの不満は、ジョン・ケージのパフォーマンス映像。他の作品がヘッドフォーンで音声を聞けるようになっているものが多いのに、なぜかこの作品は小さな音がモニターから出ているだけ。エレクトロニクスを使った、元祖ノイズ音楽とも言えそうなパフォーマンスだけに、音がよく聞こえないのは致命的。耳をモニターにつけて聞いて、映像を見た感じではめちゃくちゃかっこよさそうだった。吹き抜けのカフェでも映像を流していて、上映プログラムを見ると、7分だけですが、『77BOADRUM』が。2008年に見た映画のこれが僕のベスト1。つい、今日も見て震える。その後、外に出て、センター広場の<Time Lapse Plant/偽加速器2010>を見る。素晴らしい。さらに、19:30からのパフォーマンスも見る。LED照明は、これまでの照明と違って、一つのたま(というかセット)でいろんな色が出せて、グラデーションっぽい色も出せるし、瞬間的に色も変えられるしかなり自由度が高い、と思う。舞台やライブの照明も変わっていくんだろうなあ、なんてことも思ったり。今日のパフォーマンスでは照明と同期したサウンドの効果もあって、スペーシーでLED照明そのものが生きているかのような錯覚も覚える。影に色が付いてぐるぐる回っているのも面白い。上映の方は、行けなさそう。

未分類 — text by 本田孝義 @ 0:26:47