2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

« 風が吹く不安神経症 »

2008/7/30 水曜日

『空想の森』/『Tibet Tibet』

アンコール上映が近づいて、映画を見てる場合じゃないのかもしれないが、ドキュメンタリー映画はどうしても気になってしまう。特に日本の作品は。(外国の作品だって3本は見たいドキュメンタリーがある。)

そんなわけで、『空想の森』をポレポレ東中野で見る。蛇足だけど、久しぶりのモーニングショーで映画を見て、そうか、『船、山にのぼる』もモーニングだよな、と気持ちを新たに。で、このドキュメンタリー映画は田代陽子さんの監督デビュー作。藤本さんの助監督をやっていたとかで、実に丁寧な撮影。北海道の新得という場所で農業・酪農などで暮らす人々。とてもいい映画なのだけど、欠点が無いのが欠点という気がどうしてもしてしまった。自然の美しさ、本当の意味での豊かさがすっと伝わってくるのだけど、咽越しがよすぎるのだ。僕がひねくれてるだけかもしれませんが。ドキュメンタリー映画って不思議なもので、どこか引っ掛かりがあるほうが見続けるモチベーションになったりすることがある。映画を見ながら思っていたのは、そういえば最近、”スローライフ・ドキュメンタリー”とも言えるような作品がいくつかあるなあ、と思って、そういう作品が求められる時代でもあるのだな、と感じたりしていた。

一旦事務所に行ってから2ヶ所にチラシ撒き。

夕方、UPLINK  Xで『Tibet Tibet』を見る。まずは上映前に『船、山にのぼる』の予告編を確認。そういえば、予告が流れているのを見てなかった。2分のものを1分にしているから、ちょっと伝わりにくいかな、と思いつつ、流れていることが大事か、とも思う。さて、その映画。もう5年ほど前に出来ていて(今回再編集されているとは言え)今までにも見るチャンスはあったはずなのに、見逃していた。撮影自体は97年~99年だそうだ。始め、監督本人のナレーションで映画を撮影した背景が語られ、ちょっといやだなと思ったのだけど(これは偶然にも『空想の森』も同じでしたね。僕も前作でやってますが。)次第に面白くなりました。監督が在日朝鮮人三世ということがあって、「民族って何?」という疑問からチベット問題を知っていく過程が素直に捉えられていてよかったです。多分、初めてチベットのことを知る人も、監督の思考を追うように見ていけると思います。ちゃんとダライラマの姿も撮っていて、最後のシーンで亡命者に語りかける姿は感動できでした。

ああ、こんなことをしていていんだろうか、と思いつつ、もう大して出来ることもないしなあ、とも勝手に自分を納得させたりもする。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:09:15

コメント (1) »

  1. Hi
    It’s uncommonly, very interesting thoughts

    コメント by Derek — 2008/9/17 水曜日 @ 22:17:31

コメント RSS トラックバック URL

コメントをどうぞ