2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

2010/7/17 土曜日

「センチメンタルな旅 春の旅」/会議

今日は午前中、荒木経惟(アラーキー)の写真展「センチメンタルな旅 春の旅」を見に行った。たまたま新聞で記事を見て、写真集「愛しのチロ」やアラーキーの写真日記にも度々登場する猫、チロちゃんが今年3月に20歳で亡くなったことを知った。猫の年齢としてはかなり長寿で、人間なら100歳ほどになる。そして、この写真展はそのチロの最後の姿をおさめたものだと知った。加えて、再び冠せられた「センチメンタルな旅」の題名。ざわざわするものがあった。モノクロ写真の中のチロちゃんは、高齢ではありつつもまだ元気な表情を見せていたが、徐々に足腰が弱くなり、ついには寝た姿に。けど、その目はどこか穏やかだった。アラーキーは死の瞬間と遺骨まで撮影している。ありきたりな表現だけど「エロスとタナトス」を静かに感じた。その感情をさらに掻き立てたのが、アラーキーのカラー写真で構成された映像作品だった。初めの方にはチロちゃんの写真にヌード写真が挟まるが、チロちゃんが亡くなって(そこには骨壷を抱いたアラーキーの姿も)から、約2カ月分続く空の景色に胸を撃たれた。ちょっと残念だったのは会期が明日までのせいか写真集が売り切れていたこと。増刷されたら買おう。

午後2時からはバイオハザード予防市民センターの会議。

未分類 — text by 本田孝義 @ 21:52:51