2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

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2008/2/16 土曜日

『アメリカン・ギャングスター』/ホームページ

いくつかメールを出さなければいけない用事があったのだけど、どうしても映画が見たくなってしまって、調べると時間がぴったりはまったので映画館へ行くことにした。それにしても、自転車で5分で行ける所に映画館があるというのは夢のようである。

見たのは『アメリカン・ギャングスター』。リドリー・スコット信者としては、公開されてからずっと「見たい見たい」信号が点滅していたのだけど、やっと見ることが出来た。評判もいいみたいで、確かに面白い。前作『プロヴァンスの贈り物』がどうにもだめだった僕としては、今回はよかった、と素直に思える。だけども、少し物足りなさがあるのも正直なところ。まず、映像としては「リアル」寄りのルックなのでリドリー・スコット印とでも言うべき強烈な画像はほとんどない。(もっとも、雪がふあふあ舞ってて、にやりとしましたけど。)そして、デンゼル・ワシントンもラッセル・クロウもいいのだけど、構成も巧みで飽きないのだけど、二人の絡みをもっと見たかった気もする。(2大スター競演!なんていう映画にはよくこういうパターンもありましたけどね。)なぜなら、それはリドリー・スコットの本質に関係するから。彼の映画は基本的に「決闘」映画と言われるけど、これではまだ言葉が足りない。彼の映画は極めてホモ・ソーシャルな要素があるのだ。特に「悪」が輝く映画では、よくストーリーを追っかけてみると、なぜ「善と悪」が激突しなければいけないのかよく分からないのだ。言ってしまえば「悪」から「善」への「愛」としか理由を説明できない瞬間が必ずある。その時、映画は異様な輝きを示す。その伝でいけば、ラスト近く笑いあう二人にそんな瞬間が見えなくもないが、もっと激しく激突した場面にこそそういう瞬間を見たかった気もする。デンゼル・ワシントンが逮捕される場面はちょっとぞくぞくしましたけど。それにしても、リドリー・スコットも70を越えちゃいました。枯れる様子がないところはいいですね。

家に帰ってから、いくつかメールで用事を済ます。ホームページ掲載用の原稿も書く。3月末、僕の旧作を一挙(全部ではないのですが)上映するので、その内容をまとめたもの。せっかく上映するので少しは人が来てくれないとさびしいから。

未分類 — text by 本田孝義 @ 20:22:59

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