2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

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2007/12/29 土曜日

誕生日/『PEACE BED アメリカVSジョン・レノン』

今日は僕の誕生日。39歳。だからといって、なにがあるわけではないのだけど。

日中、家の片づけをして夕方出かける。映画を見ようと思って出かけたのだけど、その前にDVDを4枚も買ってしまう。内田吐夢監督の『大菩薩峠』3部作が期間限定で値段が下がっているのを知ったから、この機会に、と。年末年始に見る時間があるかもしれないしね。(年末年始はのんびりしようと思っているから。)もう一枚は『ザッツ・エンターテインメント3』。

見た映画は『PEACE BED アメリカVSジョン・レノン』日本では副題になっているのが英語題名だった。僕は特にジョン・レノンに思い入れがあるわけではなかったのだけど、「アメリカVS」というのが気になったから。映画自体は貴重なジョン・レノンの映像とオノ・ヨーコを筆頭に数多くの人物のインタビューで構成された、きわめてオーソドックスな作り。(ただし、インタビューされる人のバックに趣向を凝らしている。)ジョン・レノンがオノ・ヨーコと出会うことで、元々あった「反体制」の資質を開放して行ったかがよくわかる。(オノ・ヨーコが思想的な影響を与えたというより、感情の表出の触媒の役割をはたしたんだなあ。ジョン・レノンがフルクサス化した、のかもしれない。)当時のアメリカの運動の中でジョン・レノンの歌がどのように歌われていたのかも。さすがに映像で見ると、ジョン・レノンの純粋さが伝わってくる。チャーミングな部分も含めて。映画の後半がまさにアメリカ国家から攻撃される話となり、ニクソンのパラノイアぶりも逆によく分かる。それにしても、今この映画を作った製作者の思いははっきりしている。ジョン・レノンの姿を通して、今のアメリカに問いかけている。何も変わっちゃいないじゃないか、と。

では、日本はどうなんだろう、と見ながら思っていた。どんどん戦争への道を歩む今、誰か「Give peace a chance」と歌える人がいるんだろうか。(そうそう、僕は今年も「平和のためのコンサート」に関わっていたんだ・・。)

映画としては疑問がいくつかあるのだけど、いろんなことを考えました。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:52:11

コメント (3) »

  1.  本田監督 誕生日おめでとうございます。
    映画ができたあとも、見てもらうためにいろいろと苦労があるのですね。
    ご健闘をお祈りいたします。

    コメント by 今井秀明 — 2007/12/30 日曜日 @ 0:26:32

  2. 誕生日おめでとうございます。オクラ入りなった映画にも何本か関わって来ましたが(笑)、上映まで漕ぎ着けた監督の手腕はお見事で頭が下がります。記事興味深く拝見いたしました。長く尾を引く戦争といい.ジョンレノンの生きた時代と似て来ています。上手く言えませんが、ますます映画でも写真でも表現の質を高めていかなくてはと思いました。。 こちらはやっと雪らしい、雪が降ってます.ご自愛ください

    コメント by — 2007/12/30 日曜日 @ 9:01:52

  3. >今井さま
    確かに苦労と言えば苦労なのですが、多くの人に見てもらうのは、それはそれで楽しいものです。
    >林さま
    そうですか、オクラ入りの映画にも関わってこられたのですね・・。僕の場合は東京公開は第一希望の映画館に決まったので、その点でも恵まれていますね。林さんに初めてお会いしたのは2005年12月、山間に雪がいっぱい積もっている季節でした。今、ふと風景を思い出しました。

    コメント by 本田孝義 — 2007/12/30 日曜日 @ 12:27:01

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