2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

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2008/6/2 月曜日

映画の日

いつ頃からかよくわからないが、東京では毎月1日が「映画の日」で、多くの映画館で1000円で見ることができる。昨日、今日が映画の日だということに気付き、何か見よう、と思ったのだ。今日も例のごとく、遠出をせずに、地元、錦糸町で。

見たのは『ランボー 最後の戦場』。なんだかんだとシリーズを全部見ているのだけど、特段、思い入れがあるわけでもない。ただ、1作目は好きなほうだと思う。

で、今作。日本語タイトルが出た時に、原題はどうなっているか、ちと気にかかる。ご存知のように、1作目は「First Blood」であって、日本で『ランボー』のタイトルで公開したらヒットしたから、その後、英語タイトルにも「ランボー」がついたわけだ。で、今作は「John Rambo」と出るではないか!何気ないけど、監督を兼ねるスタローンの意気込みをタイトルにみた。

<以下、ネタバレあり>

よりにもよって、今回の舞台がミャンマーと聞いて、どうしたものか、と思ったが、軍事政権を批判したいのもまあ、分かるが結局のところどこでもよかった、はずだ、多分。とにかく、人体爆破、首切りなどの残虐描写のつるべ打ち。ここにも『プライベートライアン』症候群があるわけだけど、結果、アクション映画にありがちなカタルシスがどんどんそぎ落とされ、終わりにはどうしようもない虚無感が漂う。そう、ランボーというキャラクターを終わらせるために、こういう描写が必要とされたのだ。(本当は逆だろうけど。)だから、僕は、実家に帰るランボーの姿に少し心動かされた。思えば、ランボーは戦友の家を訪ねるところから始まったのだし。今は亡きジェリー・ゴールドスミスのテーマ曲も頭と終わりで聞けてよかった。なんだかんだと言われてきた80年代のアクション映画がある一つの終焉を迎えたのだ、と思った。(自ら引導を渡せたスタローンは、ある意味幸福な俳優なのかもしれない。)

未分類 — text by 本田孝義 @ 0:06:26

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