2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

« 『アンダーコントロール』『無人地帯』 »

2011/11/25 金曜日

NO NAME FILMS

今日は本当は”デジタルシネマとVPF問題のシンポジウム”に行きたかったのだけど、急遽、新作の上映の件でやらなければならないことが出来てしまい、自宅でUstreamの中継を見ようとしたら、えらく途切れてほとんど内容が分からないような状態で残念だった。その後、アーカイブされているようなので、またの機会に見よう。それにしてもこの問題(簡単に説明するのは難しいのだが、要は映画館の全面デジタル化の動きに付随して、ミニシアターの存亡の危機でもある問題)、製作者としては一番影響を受けるのはドキュメンタリー映画の製作者であることは確実。何せ映画館で公開される日本のドキュメンタリー映画は今やほぼビデオ作品。加えてシネコンで上映される作品は稀で、ミニシアターがあるからこそ上映出来ているようなものだ。やっとこの10年ぐらいでドキュメンタリー映画が普通に上映されるようになってきたばかりなのに。今後も注視していかなければ。

夜、NO NAME FILMS http://nonamefilms2011.com/ のBプログラムを見に行った。この上映は15分×10本の短編を上映するもの。そのうちの5本を見たことになる。”NO NAME”と言っているように、若手の作り手たち。5本あるとつい、あれは良かった、これはどうもとつい比較してしまう。短編ではあってもそれなりのスタッフ規模で作られているようで、どの作品も技術的にしっかりしているし見ごたえもあった。中でも僕は木村有理子監督の『わたしたちがうたうとき』が良かった。『dughters』もそうだったが、本作も家の映画だと思った。少女二人の絶妙な関係が繊細に描かれていた。そしてもう1本、特別上映された山川公平監督の『あんたの家』がすごかった。ぴあフィルムフェスティバルでグランプリをとった作品だそうだ。詳細は省くけど、介護生活を真正面から描き迫力があった。・・・とここまでは大雑把な作品の感想なのだけど、気になったことが2つ。それは各々の作品・監督には関係がない。まず、上映企画名の”NO NAME FILMS”に僕は疑問を持った。これは何かで読んだだけなのだけど、小川紳介監督は「世の中に無名な人はいない」と語っていたそうだ。それがドキュメンタリー映画を撮る上でのポリシーでもあったのだろう。その話を知って、僕も「無名」という言葉は出来るだけ使わないようにしてきた。どんな人にも名前はある。まして映像作品を発表するような人は10歳の少年でも90歳の老人でも無名であるはずがない。まぁ、反語的な意味で”NO NAME”と言っているのだろうけど。それからもう一つは、今回の企画はユニジャパンが経済産業省より「平成22年度新進若手映像等人材発掘・国際ネットワーク構築事業」を受託して製作されたもの。偏見を承知で言えば、近年の経済産業省のコンテンツ産業育成方針が僕にはどうもよく分からないのだ。片や文化庁が文化事業を支援しているのに、2頭立てにならないだろうか。内部では棲み分けがあるのだろうけど。なんだかしっくりこないのだ。(そう言えば、最初に書いた話も経済産業省は関係がありますね。)

未分類 — text by 本田孝義 @ 1:28:13

コメント (1) »

  1. デジタル配信の件、私も気がかりです。
    35ミリの映写機やフィルムがなくなってしまうのも気がかり・・・。

    コメント by 森田惠子 — 2011/11/25 金曜日 @ 10:32:46

コメント RSS トラックバック URL

コメントをどうぞ