2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

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2011/11/23 水曜日

『アンダーコントロール』

3・11以後、国内外問わず、原発関連のドキュメンタリー映画が多数公開されている。僕はどちらかと言うとそれらの映画を見ていないほうだと思う。なぜかと聞かれても、特別な理由はない。じゃあ、無関心かと言うと、自分ではそうではないつもりだが、なぜか見逃している映画が多いのも事実。で、今日はそんな原発関連の映画の1本『アンダーコントロール』を見た。ドイツのドキュメンタリー映画。見る前の勝手な予備知識で、原発解体を描いた映画だと思っていたら違った。確かに、実際に稼働しなかった高速増殖炉なども出てくるが、されだけではない。様々な原発が出てくるし、事故を想定した訓練の様子、高レベル放射性廃棄物の貯蔵庫なども出てくる。こうした映像が美しい画面と堂々としたシネスコの構図と、時にはドリーを使ったカメラワークで描かれる。確かに映像的には見るべきものが多々あったのだが、僕はあんまり面白くないなあ、と思ってみていた。そう思いながら、ふと、ドキュメンタリー映画を見て「面白い」というのはどういう状態なのか、と考えてしまった。これは一言で説明するのは難しい。抽象的に言えば「ああ、世界はこうなっているのだ」と感じれる時が面白いことだと思うのだが、その要素にはあることを知ったり、人に興味を持ったり、感情移入したり色々あるだろう。本作では映像としては「面白い」とは思ったのだが、僕の中ではそれ以上に何かが湧いてくることも迫ってくるものもなかった。

未分類 — text by 本田孝義 @ 22:05:18

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