2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

2009/9/9 水曜日

続・DVD化に向けて 

もう1か月近く前になりますが、『船、山にのぼる』のDVD化の話を書きましたが、諸般の事情で作業はストップしていました。けど、先週末から再び動き出しました。大まかな話としては、前に書いたことと若干修正がありまして、PHスタジオの本に付ける、という方向でしたが、PHスタジオの方々がとても多忙なこともあって、本格的な本を作るには時間がないので、PHスタジオとしては小冊子程度にとどめる、ということになりそうです。ですので、DVD+小冊子、といった感じでしょうか。10月末の発売を目指しているのですが、作業時間としては結構ギリギリのラインです。もう少し詳細をつめなければいけない部分もあるのですが、今週中には作業に入りたい・・・。

未分類 — text by 本田孝義 @ 22:48:12

2009/9/8 火曜日

1968(下)

小熊英二著「1968」(下)をやっと読み終わった。上下巻合わせて約2000ページ。こんな大著を読んだのは初めてかもしれない。読み終わっての漠然とした感想は面白かった。著者の他の著作もそうなのだが、とても難しい題材であるにもかかわらず、とても面白く読めてしまう。今作でよかったのは、1968年前後の学生反乱を扱った書物が、ともすれば難解な左翼用語が頻出し頭が痛くなることがままあるが、この本では出来るだけ抽象的な左翼理論を避けつつ、当時の状況・心情を浮き彫りにしようとしている点だろう。膨大な文献を引用することで、一種のドキュメントとしてあの時代を描こうとしているように思える。(だから、リアルタイムに当時を経験している人にとっては物足りなく感じる部分はあるかもしれない。)ただ、著者の結論に関しては僕の中では保留である。

僕自身は1968年前後のいわゆる全共闘運動に関しては正負両方の感情を持っている。一番気になるのは、何が出来て何が失敗だったのかがあまり冷静に語られていない印象を持っている。特にその後の様々な「運動」において「運動アレルギー」とも呼べるような感情が根づくきっかけになったように思う部分もある。また、単純な話で「1968」というのは僕が生まれた年でもあるから、どういう時代だったのか知りたい、という興味もあった。

この本は著者の他の著作と同じように、「神話崩し」という面がある。だから批判も多いだろう。だけれども、だからこそ僕のような世代にとっては立体的にあの時代を感じることが出来たように思う。

未分類 — text by 本田孝義 @ 22:06:32

2009/9/7 月曜日

事務所にて

今日は事務所にてちょっとした作業。早急に進めなければいけないことが・・・。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:40:05

2009/9/6 日曜日

今日は自宅で

またまたであるが、今日は一日自宅で。

未分類 — text by 本田孝義 @ 22:12:44

2009/9/5 土曜日

うまくいかないこともある

何かが微妙にずれていて、自分が思っていた通りにはいかないこともある。自分のせいだけではないけれど。

未分類 — text by 本田孝義 @ 21:17:51

2009/9/4 金曜日

『意志の勝利』

言わずと知れたナチス党大会のドキュメンタリー、レニ・リーフェンシュタール監督『意志の勝利』がこの夏、渋谷で上映されている。公開から時間も経ったし、もう終わったかと思っていたらまだやっていたので見に行った。どうもヒットしているようで、10月までの続映が決まったようだし、今日も平日昼間だというのに(行ってる自分もどうかと思うが)8割がた埋まっていた。一体何を期待して見に来るのだろう。「禁断の映画」という怖いものみたさだろうか・・・。

さて、映画はコクピットから見える雲の映像から始まる。党大会が開催されるニュルンベルグの空撮と飛行機。ヒットラーが降り立つ、というわけだ。そして、宿泊先のホテルに行くまでのシーンに映画的なテクニックがほぼ出尽くしている。車に乗るヒットラー、歓呼の群衆、敬礼したヒットラーの手のアップなどがリズミカルに編集されている。こうした劇的な効果を狙った演出が最後まで続く。この映画を見ながら思っていたのは、デザインとナチス、建築とナチス、音楽(特に行進曲)とナチスの関係という細部から分析することにも意味がありそうだ。僕の知識では足りないので省略。また、映画を見て初めて知ったのだが、『意志の勝利』を紹介する時に、「ナチス党大会の記録」と書かれ、有名な写真付きで紹介されるのだが、党大会はいくつもの閲兵式や夜の集会などからなっていて、決して1か所にとどまるものではない。だからと言っては語弊があるかもしれないが、114分の長さがあっても飽きない。そう、映画的観点から言えば、移動撮影や劇的モンタージュを駆使して、飽きさせないためにあの手この手を駆使しているわけだ。監督のレニ・リーフェンシュタールは、戦後ナチスの協力者として様々な批判を浴びるわけだが、権力と表現者の関係という普遍的な問題と同時に、彼女の不幸(見方を変えれば栄光)は、完璧な映画を作ってしまったことにあるのではないか、と思った。話は飛ぶが、戦後日本のドキュメンタリーにおいて、劇的なカットを劇的なモンタージュでつなぐ手法をいかに乗り越えるかが模索されていたと思う。例え内容が反戦的なドキュメンタリー映画でも、レニ・リーフェンシュタールが駆使したような手法を使う限り、本質は変わらないのではないか、という批判である。僕自身にも両方の側面がある。時には劇的になることを嫌悪し、同時に劇的なつなぎを平気でやってみたり。だから『意志の勝利』という映画は、映像制作者にとってテクニックを真似したくなる部分と反面教師にしなければならない部分があり、そういう意味でも「禁断の映画」かもしれない。(もちろん、権力者とどう向き合うのか、という倫理的問題もあるわけだが。)ヒットラーについても思うところがあったが長くなったので省略。

未分類 — text by 本田孝義 @ 19:43:26

1968(上)

最近読んでいた”重い本”というのは小熊英二著「1968」。上巻を読み終わったのだが、上巻だけでも約1000ページ。下巻も同じぐらいある。下巻に突入、感想は下巻を終わったら。

未分類 — text by 本田孝義 @ 0:12:57

2009/9/2 水曜日

岡山映像作家2人展

岡山在住の方はぜひ。

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岡山映像作家2人展
http://gahaku.x0.com/article/31319492.html

現在活躍中の岡山在住2人の新鋭映像作家をクラブ・クレールが紹介

場所:シネマ・クレール丸の内
http://www.cinemaclair.co.jp/
2009.9/11(金)19:15~

〒700-0823 岡山市北区丸の内1-5-1 TEL:086-231-0019

主催:クラブ・クレール

『紅葉』  山崎監督  シネマニワHPhttp://cinemaniwa.web.fc2.com/index.html

『蟻』   中村監督  画伯のブログhttp://nakamuragahaku.blog110.fc2.com/blog-entry-296.html

<中村智道>
1972年岡山市に生まれる。赤磐市在住。
2003年に岡山映画祭のワークショップで簡単な映像編集を学び、映像作品の制作に取り掛かる。その後、すべての工程を独学で学ぶ。
2005年より初のアニメーション作品、「ぼくのまち」の制作を開始。
イメージフォーラム・フェスティバル2007 奨励賞
バンクーバー国際映画祭2007 Apocalyptic (and other) Anime 正式招待 (カナダ)
カルガリー国際映画祭2008 国際選抜プログラム An Animator’s World Shorts 正式招待 (カナダ)
第55回オーバーハウゼン国際短編映画祭 インターナショナルコンペティション部門入選 (ドイツ)
他、国内外多数

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:07:07

2009/9/1 火曜日

『宇宙へ』

小学校の頃、宇宙飛行士になりたかった。ただ単に宇宙から地球を眺めてみたかった。僕が子どもだったころはまだ楽観的な未来観があったのか、比較的簡単に宇宙に行けるような幻想もあった。実際は日本人がそう簡単に宇宙に行けるわけではないことが分ったし、「選ばれた」人しか行けないものだ、という現実も知る。それでも憧れみたいなものは心のどこかにくすぶっている。そんなこともあって、『宇宙へ』というドキュメンタリー映画を見た。映画を見始めてすぐ気付くことだが、原題は「ROCKET MAN」。NASAの宇宙開発を時系列で描いたもの。ドキュメンタリーとしては単純なものだ。アメリカの宇宙開発は東西冷戦下旧ソ連との軍拡競争が背景にあって進むわけで、出遅れたアメリカは焦るわけだ。その辺はさらっとしか触れられていない。(このあたりは「レッドムーン・ショック」という本が面白い。)マーキュリー計画で7人の宇宙飛行士が選ばれる映像では、つい『ライトスタッフ』の映像を反芻してみたり。数々のロケット打ち上げ失敗シーンが続くあと、アポロ計画でいざ月面へ。何度も見ているはずなのに、やはり宇宙から眺めた地球の姿は美しい。僕にはそれだけでも十分だ。(蛇足ながらアポロ計画を描いたドキュメンタリー『ザ・ムーン』は未見。気になる。)またまた脱線するが、昔、『アポロ』というドキュメンタリー映画があった。こちらはアポロ計画の様々な映像を一つにつないで、あたかも地球から月まで旅をするように構成した映画だった。ナレーションもほとんどなく、今では名盤と言われているブライアン・イーノの環境音楽(最近、再発されたようだ)が静かに流れる、環境映画のような映画だった。DVDになっていないのが残念。で、今日の映画は原題にもあるように、宇宙飛行士を含む宇宙開発に関わる人の映画。宇宙開発と軍事開発には密接なつながりがあることを知った今となっては、「フロンティアへの挑戦」と能天気には思えないけど、時々胸が熱くなる自分もいる。ちなみに、この映画はNASAが初めて公開した映像も多数含まれているらしい。(映画が終わった後、「まるで国策映画見たい」と言っている人がいて笑った。)僕が見たのは日本語版だったのだけど、ナレーションの宮迫博之がとてもよかった。最近見たドキュメンタリー映画の中では最も説得力を感じる声だった。それに引き替え、ラストに流れるゴスペラーズの曲は余韻をぶち壊し。(曲を単独で聞けば悪くはないのだろうけど。)最近、こうした日本だけのイメージソングがつくことがままあるけど、よかった記憶がない。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:39:43

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