2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

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2009/11/20 金曜日

『行旅死亡人』

『行旅死亡人』を見た。監督は井土紀州。彼の活躍ぶりは今更書くまでもないが、大学の後輩で一緒に自主上映をしていた。(何度か書いた記憶もあるが彼が一躍有名になった、学生時代に作った『第一アパート』に僕は役者として出演している。時たま今でも上映されていて、意外なところで見た人に会ったりすると不思議な気がする。)そんなこともあって、今はかなり違うフィールドで活動しているが、気になる存在ではあるのだ。さて、今回の作品。なんとも感想が書きにくい。一つ思ったのは、湿度が少し足りないような気がした。撮影・照明の伊藤さんは(彼も学生時代から知っている)は、少ない予算の中で頑張っているのだが、最後の仕上げのせいか、どうも画面が固い。そのことに目が行ったせいばかりではないだろうが、井土特有の粘っこさが今回薄いように思うのだ。ある意味古臭い昭和のサスペンステイストを意図的に取り入れていると思うのだが、情念みたいなものがもっとあってもよかったのではないか。逆説めいて聞こえるかもしれないが、普通にちゃんと見れてしまったことが少し物足りなかった。僕の勝手な希望を書けば、井土にはいつかハチャメチャなコメディーを撮ってもらいたい、と思っている。

未分類 — text by 本田孝義 @ 0:21:18

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