2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

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2009/11/6 金曜日

『This is it』

言わずと知れたマイケル・ジャクソンの映画。マイケル・ジャクソンのファンでもない人間はそうそう見に行くとは思われないが、僕もファンではないが、これもドキュメンタリーには違いない、と思って見てみたのだった。まぁ、確かにファンではないのだが、今年、以前のライブがDVD発売された際に、店頭で流れている映像を見て、確かにすごいのかもしれない、と思っていたところに亡くなってしまった。だから、興味自体は少しあったわけではある。さて、この映画、基本的には「最後の公演」と言われていたコンサートのリハーサル映像。僕は映画を見ながら何度も「奇妙な映画だ」と呟いていた。まず一つは肝心のマイケル・ジャクソンのパフォーマンス。おおすげぇ、という気持ち半分、だけれどもあくまでもリハーサルだから100%の力を出しているわけではない。一方、バックで踊る若手のダンサー(冒頭、リスペクトしたインタビューもあるし、オーディションシーンも。)は、かなりの本気度。(多分、ちょっとでも手を抜くときられる可能性もあるからだろう。)だから、ふとバックダンサーに助けられている錯覚を覚える。もう一つ驚くのは、ステージで流されるはずだった映像がかなり作りこまれていた印象。特にスリラーが3Dでリメイクされていたとは。(もっとも、かつて『キャプテンEO』という3D短編を作っていたくらいだから、驚くほどではないのだろうけど。)ステージ上で3D映像を眺めながら、目の前に実物のマイケルがいる、そんな効果を狙ったステージだったのかもしれない。・・・と言うように、つい脳内では「こんなステージだったのでは」と完成形を想像しながらもう一つの映画を組み立てているような気分に。そうして見ると、マイケル・ジャクソンの存在自体がどこが亡霊めいて見えなくもなく、ただの幻影を見ているに過ぎない映画らしいと言えば言えるかもしれない。もちろん、何度も熱くなったシーンはありました。何はともあれ、久しぶりに興行収入1位になったドキュメンタリーには違いない。(その前は『earth』。)そして、現在公開中とこれから公開されるドキュメンタリー映画にはミュージシャンのものが目白押し。どこまで見れるか分かりませんが。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:47:30

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