2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

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2009/8/14 金曜日

「弩」

ほとんどとじこもり状態で読んでいた本は「弩」。弩(ど)というのは西洋の武器でいうクロスボーのことで、日本では普及しなかった武器。少し前に見た「宮本武蔵」(アニメ)でも、押井さんの蘊蓄でなぜ普及しなかったかが言及されていた。そんなこともあって、「農民が武器をとった」という帯の文にも惹かれて読んでみた次第。確かに面白い小説ではあるのだが、思っていたのとはちょっと違った。戦闘シーンは終わり数十ページで意外とあっさりしている。弩の活躍もそれほど多くない。でも面白いのは、因幡の農村生活を丁寧に描写していて、人物像や当時の生活が目に浮かぶようだから。こうした歴史小説は最近の中世研究の成果が如実に反映しているようで、本作の背景にも史実があるそうだ。そうした描写があるからこそ、武器をとる切実さも生きてくるというもの。もっとも、帯に「七人の侍」を引き合いに出しているが、あまり比較せず楽しんだほうがいいと思う。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:45:09

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