2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

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2008/11/5 水曜日

『女工哀歌』

ずっと気になっていたドキュメンタリー映画『女工哀歌(エレジー)』の上映が今週末までだったので、なんとか今日、見に行った。いったいいつの時代だ?と思うようなタイトルは邦題。原題はCHINA BLUE。簡単に言うと、”世界の工場”などと言われる中国のジーンズ製造工場で働く少女たちのドキュメンタリー。14~17歳ぐらいの少女が真夜中まで、時には徹夜で働かされているさまは確かにひどい労働環境。それでも救いは少女たちが前向きなところ。そういう表情なども撮れている。だけれども、僕は映画としてこの監督の「手つき」が嫌で嫌でたまらなかった。なぜ、こうも細かくカットを割って、劇映画のように見せる必要があるのだろう。大体、2人の人間が話す場面を視線の切り替えしで描くのは、劇映画の「虚構」の最たるもので、何もドキュメンタリーで真似しなくてもいいのに・・。そういう表現が随所にあって、いらいらしていたら、ラストにも笑っちゃう演出(何せダンボールからジーンズを取り出す時に、ダンボールの中から見たカットがあるのだ。)があって、ああ、嫌だと思ったのでした。ドキュメンタリーに「演出」があるのは当たり前だけど、それは「劇映画の真似」を意味しない。内容よりも僕はこの「手つき」にずっと居心地の悪い思いをしていた。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:38:37

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