2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

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2012/4/6 金曜日

『ブラックパワー・ミックステープ』/『加地等がいた』

 午前中、印刷所から事務所に映画『モバイルハウスのつくりかた』のチラシが届く。いいチラシが出来た、と僕は思う。宣伝の原田さん、デザイナーの高木さんのおかげ。これから自分でも撒かないとね。(明日は、あらかじめ決められた恋人たちへのライブで配布させてもらう。)

その後、試写で「ブラックパワー・ミックステープ〜アメリカの光と影〜」というドキュメンタリー映画を見た。この作品のミソは、60年代後半から70年代にかけての黒人の運動がスウェーデンのフィルムからたどられているところ。昔の映像に現在の黒人ミュージシャンなどのインタビュー音声が被さり、運動の意味が検証されていく。ブラックカルチャーを描いたドキュメンタリーは数々あるが、運動の政治性を正面から描いているのは貴重。4月28日から公開。それにしても、アーカイブ映像について考えていた。本作は16mmフィルムで撮られた映像を使っているが、その生々しさが印象的。はたして、40年後今のデジタル映像がきちんと残っているのかを考えるとちょっと心許ない、と思うのだがどうだろう。

もう一度、事務所に戻って、前売り券に付けるポストカードを受け取る。

夜は、『加地等がいた―僕の歌を聴いとくれ―』http://kajihitoshi-movie.perfect-world.me/ というドキュメンタリー映画を見た。昨年、若くして急逝したフォークシンガーのドキュメンタリー。とてもいい映画だった。正直言って、加地等の歌はうまくないと思うし、ギターもうまくないと思うし、姿もカッコいいとは言いずらい。けど、歌が沁みてくる。そして、映像もどこかついでに撮った映像のようでぶっきらぼうなんだけど、加地等のぼそっとした佇まいと妙にあっている。僕は最近、ドキュメンタリー映画というのは、せいぜい、こういう人がいる(いた)、ということが映画から感じることが出来れば十分じゃないか(でもそれはとても難しいことでもある。ただ映っていてもそうはならないから。)などと考えているのだけど、そういう意味ではタイトル通り、「加地等がいた」と感じさせてくれたのでよかった。

未分類 — text by 本田孝義 @ 1:01:02

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