2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

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2011/8/29 月曜日

朝鮮学校ダイアローグ

ここ数日のことを簡単に。

8月26日 12時前に岡山着。バスで岡山朝鮮学校に向かう。展示場所の教室に行って、さっそくプロジェクターの調子をチェック。と言うのも、展示場所を遮光するかどうか、少し迷っていたからだ。投影する白い幕に映像を映してみると、昼間に関わらず、きれいに映像が映る。だから、教室を遮光することはやめて自然光のままで投影することにした。脚立に乗って、教室の対角線上に2枚の白い幕を垂らす。次に問題だったのは音声。一度、大きなスピーカーに通して音を出してみたのだけど、音自体ははっきりきこえるのだけど、さすがに2つの音声が干渉しすぎて余計聞きにくいことが判明。ならば、プロジェクターから直接音を出すことにした。両方の音声が思っていたよりききにくいのは計算外だったが、両方の音声が「聞こえている」状態はそれはそれでいい、と思った。汗だくになりながら設置完了。すでに設置が終わっている部屋を見て回る。かなりレベルが高い展覧会になる予感があった。(この予感は当たっていた。)何を持ってレベルが高い、と考えるかはなかなか難しいけど、こうした美術館ではない場所での展覧会で思うのは、参加作家がいかに場所・空間を読み解き、それをどう表現するか、そしてその表現がいかに見る人を触発するか、だと思う。そういう意味で、朝鮮学校ダイアローグ http://www.artdialogue.jpn.org/schedule.html はとてもいい展覧会になっている、と僕は思う。夜、当新田(とうしんでん)食堂 http://www.sysko.jp/toshinden/ でホルモン焼を食べる。うまかった!

8月27日 展覧会初日。入場者の反応が気になる。宮ヶ迫ナンシー理沙さんが作った『Roots of Many Colors』というドキュメンタリーを見る。ナンシーさんは9歳の時ブラジルから日本に来たそうだ。このドキュメンタリーはそんな彼女の自らのルーツ、日本での暮らしを語りつつ、周りに居る、イラン、ペルー、ラオスなどなどから日本に来た若者たちが率直に自らの体験を語った作品。素朴な作りではあるが、気付かされること多し。午後にチャンゴ演奏。シンポジウム。このシンポは参加作家のシンポだったのだけど、人数が多いので2言喋ったら終わってた。ラストは、ラップミュージシャン・フニさんのラップ・ワークショップ。最後は参加者皆さんがラップを披露。皆形になっているので驚き。僕はビデオを撮っていて、テープの長さがギリギリで冷や汗・・。夜、岡山駅前の「在」という店で打ち上げ。その後、会館でごろ寝。

8月28日 11時からシンポ。朝鮮学校の元校長李先生と近くの第二藤田小学校の元校長佐藤先生の対談。会場には両先生と久しぶりに会うような方々も多数来場。両校がどうやって交流してきたかという話は本当に興味深いものだった。その後、川端路子さんの『ダイアローグ+岡山物語第2部』を見る。まず、ダイアローグという作品はこの展覧会のメイキングと聞いていたのだが、メイキングを撮りながら、川端さんの世界に持っていく、というある種の力技を持った作品だった。僕も登場する。「岡山物語第2部」は1・2・3部とある作品の2部、だそうだ。だから、僕は全体像を知らないので分からない謎も多々残った。チャンゴ演奏は聞かずにご飯を食べてから、3つ目のシンポを聞く。社会学系の学者の方々を中心としたシンポ。なかなかに大切な問題提起がされつつも、消化不良の感があった。諸々の片づけをして、少人数で打ち上げ。

8月29日 10時過ぎの新幹線に乗って帰京。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:50:42

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