2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

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2011/3/17 木曜日

撮影/『森聞き』

今日は昼前、日曜日に撮りそびれたカットを撮影。ばたばたしていると撮りそびれるものがあるわけで、物撮りというか実景撮りというか、より正確に言うと建物撮りをしていた。外はめちゃくちゃ寒かった。夕方も撮りたかったので、時間がぽっかり空いた。

どうしたものか、と考えていて、こんな時ではあるが映画を見るか、という気になったのだが、吉祥寺の映画館は軒並み休館。ふと思い出して、今日も営業しているポレポレ東中野に行くことに。地震時にも被害を受けなかったそうで、よかった。と同時に、停電のことなどあって営業も大変だろうに、こうして上映を続けていることに僕は敬意を表したい。ちなみに、ここのところ、毎年、ポレポレ東中野ではチェルノブイリ原発事故が起きた4月26日に特集上映をやってきたが、今年は目黒美術館の展覧会「原爆を視る1945-1970」と連動して、数多くの原発関連の映画を4月26日から特集上映する。この企画自体は前々から決まっていたものだが、この福島原発の事故の中で、期せずしてタイムリーな企画になってしまった。前置きが長くなったが、映画館の座席に身を沈めると、久しぶりに妙な安ど感を感じてしまった。見た映画は『森聞き』(監督:柴田昌平)というドキュメンタリー映画。映画は高校生4人が「森の名人」と呼ばれる人たちの聞き書きをする様子を描いている。冒頭は高校生4人がなぜこの聞き書きに参加したかから始まり、その後、実際に名人たちに会いに行く。(1対1。)その名人たちの手つき、足の運びなどが長い年月で培われたものであることがしみじみと伝わってくる。加えて、名言・至言が連発!と同時に、少しの悲しみも感じる。今にもこの技術が途絶えようとしているように思えるのだ。正直、半分ぐらいまでは、端正でまじめな作りに少々こそばゆかったのだが、徐々にそういう気分もなくなった。こういう時だからこそ、見てよかったと思う。

その後、再び撮影へ。日が沈む頃を狙って撮影。とりあえず、思っていたカットは撮れた。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:10:27

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